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コロナ禍で「RPA」存在感 事務作業自動化、行政のデジタル化貢献

 新型コロナウイルスとともに生きる「ウィズコロナ」の課題に対し、パソコンによる定型の事務作業を自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」のニーズが高まっている。感染防止のためのテレワークの広がりに伴う情報漏洩(ろうえい)リスクや、行政のデジタル化の遅れなどに貢献できるからだ。米英のRPA大手3社は商機とみて、国内で相次いで新サービスを始めた。

 テレワークをめぐっては、外部の第三者によりネットを通じて機密情報を盗まれたり、業務を妨害されたりする可能性が指摘されている。

 2001年設立のRPA業界の老舗、英Blue Prism(ブループリズム)の日本法人(東京都港区)は、顧客企業の職場にあるデスクトップパソコンにRPAを搭載するのではなく、専用のクラウドコンピューター(サーバー)で情報を集中管理するサーバー型RPAシステム「Blue Prism」で強みがある。日本の顧客企業は、サーバー上のRPAを通じて業務を自動的に遂行でき、社員がいなくともセキュリティー体制を維持できたという。

 また、特別定額給付金や、雇用調整助成金のオンライン申請ではトラブルが続出し、行政のデジタル化、オンライン化の遅れが指摘された。

 米オートメーション・エニウェアの日本法人(同千代田区)は昨年から自治体向けの営業を強化しており、実証実験を含めて二十数自治体でシステムを導入した。

 東北地方のある自治体では、同社のシステム導入により、特別定額給付金の迅速な給付に役立ったという。

 同社は今月末まで、官公庁と地方自治体向けにRPAソフトウエアのライセンスと導入に必要な技術サポートを3カ月間無償で提供し、認知度を広げたい考えだ。

 このほか、米UiPath(ユーアイパス)の日本法人(同千代田区)は、雇用調整助成金などについて、企業における申請業務の負担を軽減するため、作業を自動化するワークフローを日本で開発。年末までの予定で無償提供している。

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