話題・その他

銀座の店を物々交換で応援 「もの繋ぎプロジェクト」進行中

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言や、長引く自粛によって売り上げが落ち込んだ東京都中央区銀座の街で、店舗や企業同士が商品の物々交換を通じてエールを送り合う「もの繋(つな)ぎプロジェクト」が行われている。老舗和菓子屋から始まり、区切りの100回目まであと少し。会員制交流サイト(SNS)で情報発信を行い、銀座の絆を力に、困難な状況を乗り越えようとしている。(鈴木美帆)

 8月3日、98回目の交換が松屋銀座で行われた。97社目の東京タワー(港区)から98社目の松屋銀座に贈られた商品は「東京タワーぬいぐるみ」、松屋銀座からはデンマークのブランド「ステルトン」のジャグ(魔法瓶)が99社目に。各社の間を取り持つのは、プロジェクトの発案者で老舗和菓子屋「木挽町よしや」の3代目、斉藤大地さん(34)だ。

 4月から始まった同プロジェクト。歌舞伎座前の老舗弁当店「木挽町辨(べん)松(まつ)」がコロナなどの影響で閉店したことを知った斉藤さんは「とても悲しかった。何か自分にもできないか」と銀座のために立ち上がった。

 銀座で育ち、大正11年創業の店を継いで、どら焼きなどを販売する斉藤さん。苦境を訴える常連客らの声を聞きながら、銀座の店の商品を紹介する物々交換リレーを思いついた。「銀座の品物がどんどん変わり、最後には何になるのかと興味を持ってもらえるのでは」。経過や商品については、木挽町よしやのツイッターと写真共有アプリ「インスタグラム」で紹介。斉藤さん自身が自転車に乗り、責任をもって商品をつないでいった。

 これまでに飲食店や衣料品店、画廊、映画館など多種多様な企業や店舗が参加。銀座にゆかりのある企業も加わり、プロジェクトとは別に企業同士で新しい仕事も生まれた。「皆様のお力添えで大きな輪になった」と斉藤さん。松屋の古屋毅彦取締役も「みんな苦しい中、何かをしようという姿勢に勇気づけられた」と話す。

 ひと区切りとなる100回目のUNIQLO TOKYOでは、参加した企業のロゴや銀座の街をデザインした「銀座もの繋ぎチャリティーTシャツ」(大人サイズは税抜き1990円)を14日から店舗限定販売する。売り上げの一部は銀座全体の自治組織「全銀座会」に寄付され、街のために使われる。

 参加希望は絶えず、コロナの収束も見えないため、プロジェクトは今後も続ける予定だ。投稿から気になったお店などを見つけてもらい、「思い切り外に出られるようになったら、足を運んでいただければうれしい」と斉藤さんは話している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus