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シェアリングシティ 共有ビジネスを全自治体に普及

 シェアリングシティ推進協議会代表・佐別当隆志さん(43)

 --日本におけるシェアリング(共有)ビジネスの課題とは

 「これまでの法律、人々の価値観などはすべて所有を前提としたものになっている。高度経済成長期から1990年代初頭のバブル崩壊までは『ものを持つ』ことが一種のステータスだったが、時代も社会も変わり、『所有』ではなく『共有』という新たな価値観が生まれている。新たな価値観を取り込んだビジネスが立ち上がり徐々に浸透しているが、まだ都市部が中心で地方では浸透しきれていない」

 --乗り物や子育て、スペースなどさまざまなシェアリングビジネスが社会の担い手になりつつある

 「そもそも人口が小さな地方では、シェアリングビジネスが成立しづらい環境にある。多くの地方自治体で市町村合併や行政改革などで職員の数が削減されており、行政単独だけでさまざまな地域課題に向き合えなくなりつつある。一方で、地域には知られてはいないけど誇るべき魅力がたくさんある。そうした魅力をシェアリングビジネスを通じて、他地域から人を集めることで地域経済の活性化につなげたい」

 --協議会には自治体も数多く参加している

 「成功事例を生み出し、それを共有し、他地域でも展開することで、シェアリングビジネスが地方に定着するきっかけを作る。7月は全国各地で豪雨災害が相次いだ。そこで災害支援をテーマにシェアリングビジネスができることを会員企業と自治体の間で検討を進めていく。また、地域でのシェアリングビジネスの活用事例をデータベース(DB)化して発信していく。2030年には約1700のすべての自治体でシェアリングビジネスが普及し、地域における新たな自助共助の世界を作り上げたい」

【プロフィル】佐別当隆志

 さべっとう・たかし 立命館大国際関係学部卒。2000年ガイアックス入社。16年シェアリングエコノミー協会を設立し事務局長に就く。18年多機能コリビングサービス「ADDress(アドレス)」を設立し代表。20年7月シェアリングシティ推進協議会を設立し代表。大阪府出身。

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