現場の風

フィンテック協会 メガバンクの新決済システムに懸念

 フィンテック協会理事・神田潤一さんに聞く

 --メガバンクなどが個人間送金の手数料を引き下げる新たな決済システムについて発表した

 「送金手数料が下がる方向の取り組みで、非常にスピード感もあり、いい取り組みになり得ると評価できる。ただ、手数料をどの程度下げるのか、また下げる対象など具体的な点で不明なことも多く懸念もある」

 --懸念とは

 「フィンテック協会としては、少額の送金であれば0円にまで下がっていくのが理想だと考えているが、それにどのくらい近づけるのかが分からない。また、フィンテック事業者のアプリから送金するときに銀行間と同じ条件で手数料が下がるのかも疑問だ。銀行の囲い込みのような仕組みになれば、新規参入や新サービスが出てくることの妨げになりかねない」

 --銀行側はフィンテック事業者も含めた取り組みにする方針だ

 「そうだと良いのだが、直前までフィンテック事業者側には相談はなかった。公正取引委員会が手数料の高止まり是正を求めたことなどを受けて、銀行などと一緒に手数料引き下げに向けた議論を始めたところだが、そこでの議論がおろそかになってしまわないか心配だ」

 --銀行の立場からすれば、システムの維持費も無料ではない

 「公取はコストに対して取っている手数料が大きいという指摘をしており、下げる余地はあるだろう。もちろん全ての決済手数料をゼロにすることは難しいかもしれないが、少額の送金はゼロにすべきだ。飲み会の割り勘で3000円を送金するのに、数百円の手数料が取られるなら、そんなサービスは使われない。今あるシステムを使うという発想から離れ、どうすれば手数料を安くできるのか、抜本的な議論が必要だ」

【プロフィル】神田潤一

 かんだ・じゅんいち 東大経卒。1994年日本銀行に入行、金融庁への出向などを経て2017年9月にマネーフォワード執行役員。同年11月からフィンテック協会理事も兼務。青森県出身。

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