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インドに巣ごもり新消費 伝統医学や衛生関連の家電に注目

 ロックダウン(都市封鎖)が数カ月にわたり続くインドで、健康維持や保存食の買いだめ、自宅の清掃、身だしなみなどへの関心が強まり、消費行動に変化が生じ、関連する企業の業績を押し上げている。

 インドの消費者が関心を寄せる分野の一つが、健康維持と免疫増強だ。インドには「アーユルヴェーダ」と呼ばれる伝統医学があり、ダビュールインディアやヒマラヤドラッグといった企業が、天然成分で作られたジャムのチャワンプラッシュやサプリメントのセプティリンなどアーユルヴェーダ製品を製造している。

 食品は長持ち重視

 調査会社ニールセンによると6月のチャワンプラッシュの売り上げは業界全体で前月の3.83倍となるなど、伝統的な製品の需要が拡大している。ダビュール製チャワンプラッシュの4~6月期の売り上げは1~3月期の8倍を記録したという。

 ニールセンのサミール・シュクラ氏は「免疫増強や衛生などに関する製品の購入を増やしたいと考える人は多く、非常にはっきりした需要の増加傾向が見られる。こうした傾向は今後短くとも数カ月以上、続きそうだ」と話す。

 一方、ロックダウンに伴い食品を買いだめする家庭が増え、3月以来、長期保存の利く食品の売り上げが伸びている。

 英調査会社ユーロモニターによると、朝食用シリアルやインスタント麺、コメ、食用油などは、売り上げの急増で在庫が不足し販売が頭打ちになるほどだ。

 海通証券のアナリスト、グアラン・カッカトー氏とプレマル・カムダール氏によると、ネスレ・インディアは、人気の高い即席麺のマギーヌードルやチョコレート菓子のキットカットやムンクの売り上げが大幅に増加し、1~3月期は10.7%の増益となった。

 他にもインドの家庭におなじみの食品会社、パール・プロダクツのパールGビスケットの4~5月の売上高は過去最高を記録。一般の消費者による購入に加え、政府や非営利団体が安価な同ビスケットを貧しい家庭に配布するため大量に購入したことも影響した。

 エムケイ・グローバル・ファイナンシャル・サービシズは「衛生的な食品や信用のあるブランドの食品が好まれるようになった。ロックダウン終了後も路上で販売される食品から包装された食品へのシフトが継続する」と指摘する。

 理美容も自宅対応

 また、経済的にゆとりのある家庭では、自宅で有意義な時間を過ごそうと、新たな家電製品に目を向けている。

 インド電子商取引(EC)大手フリップカートによるとジューサーやミキサー、電子レンジ、トースターといった白物家電の7月の検索件数は前月比で4倍となったほか、掃除機などの衛生関連家電の同月の需要も感染拡大以前との比較で4倍に達した。

 食洗器は、需要に生産が追い付かず、IFBインダストリーズなどメーカーの一部には、新規受注を一時停止する企業も出ている。

 理髪店や美容室は年末近くまで休業が見込まれることから、ひげそり器なども売れている。ハベル・インディア製ひげそり器の売り上げは、コロナ禍以前の5倍近くのペースで推移しているという。

 フィリップスインドのガルバハール・タウラニ氏は「これまで家庭では行わなかったひげのスタイリングや散髪、脱毛などを道具を購入して試す人が増えている」と話した。(ブルームバーグ Ankika Biswas)

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