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今年最大の2兆円IPOへ 旧東芝メモリのキオクシア、上場承認

 東京証券取引所は27日、大手半導体メーカーのキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の新規上場を承認した。上場予定日は10月6日で、東証1部になるとみられる。時価総額が2兆円を超える今年最大の新規株式公開(IPO)となる見通しだ。キオクシア株の40・6%を保有する東芝は同日、上場に合わせ保有株の約2割を売却すると発表。経営危機の際に出資した投資ファンドら株主に売却益の過半を還元する方針だ。

 キオクシアは昨年の上場を目指していたが、半導体メモリー市場の低迷などで遅れていた。今年に入り業績が回復傾向にあり、将来的にデータセンターや第5世代(5G)移動通信システム向けの需要増などによる市場の好転を見込んで、上場で得た資金を生産設備の増強に充当する方針。主力の四日市工場(三重県四日市市)や北上工場(岩手県北上市)での設備増設を検討している。

 一方、東芝のキオクシア株保有比率は株売却により32・0%に低下する。キオクシアの筆頭株主で米ファンドのベインキャピタルを中心とする「日米韓連合」も株式を一部売却し、巨額の買収資金を回収するとみられる。

 キオクシアは、スマートフォンやパソコンの記録媒体に使われるフラッシュメモリーの専業メーカーで、東芝の子会社「東芝メモリ」が前身。かつては東芝の“稼ぎ頭”だったが、不正会計問題や原発事業の巨額損失で経営危機に陥った東芝が「日米韓連合」へ平成30年6月に売却。令和元年10月には現在の社名に変更している。

 東芝は売却後も一部株式を保有し続けていたが、半導体メモリー市場は変動が大きく、キオクシアの不安定な業績が東芝の経営に与える影響も無視できず、今回の株式売却となった。

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