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米の飲食業界、年内に3割が廃業の衝撃 「うまくいくまで数年」の予測も (1/2ページ)

 【エンタメよもやま話】

 さて、今回ご紹介する話題は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大変なことになっている業界に関するお話です。

 日本でも、コロナ禍を受け、4月から5月にかけて政府が発令した緊急事態宣言の影響で客足が大幅に落ちたうえ、8月からは東京都や大阪府などが大手外食チェーンなどに対し、営業の自粛や時間短縮を再開するなど、さらなる苦境に陥る飲食業界ですが、米では、こうした業界が受けるであろう将来的な悪影響に関する具体的な数字が出始め、衝撃が広がっています。今回の本コラムでは、米の飲食業界のそうした厳しい現状についてご説明いたします。

 このニュースには個人的に驚きました。7月1日付の米経済ニュース専門局CNBC(電子版)など米主要メディアが一斉に伝えたのですが、大手ピザチェーン「ピザハット」や、ハンバーガーを中心とするファストフードチェーン「ウェンディーズ」を米国内で展開するNPCインターナショナル社がこの日、米連邦破産法11条の適用を申請し、経営破たんしたのです。

 同社は1962年以来、全米最大のピザハットのフランチャイジー(加盟店)で知られ、1227軒の「ピザハット」と323軒の「ウェンディーズ」を運営していますが、近年の売り上げ低迷で発生した約10億ドル(約1100億円)という巨額の債務に加え、コロナ禍を受けた休業による売り上げ減により、経営破たんに追い込まれたのです。

 同社が展開するチェーン店は今後も営業を続けますが、米国内では、同じ大手ピザチェーンの「カリフォルニア・ピザ・キッチン」をはじめ、ピザレストランにゲームセンターなどを併設した親子向けレストラン「チャッキーチーズ」、独生まれのイタリア料理店チェーン「ヴァピアーノ」、同じくイタリア料理チェーン「ブリオ・イタリアン・グリル」と「ブラボー!」がそれぞれ、コロナ禍による運営会社の経営破たんという憂き目に合っています。

 そして、こうした飲食業界の危機的な状況はさらに酷くなりそうだというのです。7月18日付のCNBC(電子版)などによると、飲食業の業界団体は、コロナ禍の影響で、全米で営業する飲食業の30%が廃業に追い込まれる可能性があると試算していることが分かったのです。

 報道によると、とりわけ危機に直面しているのが大手チェーン店ではない独立した街の飲食店ですが、コロナ禍の影響で外食を控える家庭が増加していることから、大手のチェーン店でもカジュアルな食事を提供する店は大きな痛手を受けるとみられています。

 無論、こうした業界などに対しては連邦政府による従業員への「給与保証プログラム(PPP)」などもあり、7月6日付のCNBCなどによると、既に飲食・宿泊業界向けのこうした制度に1社あたり数百万ドル(数億円)、総額420億ドル(約4兆5000億円)が融資されています。

 飲食チェーンだと、中華料理の「P.F.チャングス」やハンバーガーの「ファイブ・ガイズ」といった大手もこの制度で融資を受けたのですが、この制度、もともと大手ではなく、従業員が500人未満の中小の事業者を念頭に置いていたとあって、日本でも人気のハンバーガーチェーン大手、シェイクシャックは「本当に支援が必要な中小に資金が行き渡らなくなる」との批判にさらされ、受けた融資1000万ドル(約10億6000万円)を全額、返済に追い込まれるなど、業界内で混乱を招いています。

 前述の7月18日付のCNBC(電子版)は、今回のコロナ禍が<飲食業界のあり方を永遠に変えるだろう>などと断言。専門家たちは、コロナ禍と、それに伴う健康への懸念から、ビュッフェ形式の飲食店が死滅する可能性に触れ、かつて繁栄した外食という“エンターテインメント”がプレッシャーにさらされているとの懸念を示しました。

 さらに、こんな状況の中、米の大手調査会社、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスが7月17日に発表したリポートには、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が最も高い15の上場飲食チェーンの具体的な社名などが記されていました。

 また、前述のCNBCは、大手の運営元も連邦政府による従業員への「給与保証プログラム(PPP)」を受けるなど、苦境に立たされていると報じたのです。

 こうした一連の報道が物議を醸す中、今度は米金融経済系通信社ブルームバーグが7月31日付で追い打ちをかけるような記事を配信します。

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