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FBは猛反発 アップルが新iOSにターゲティング広告の制限機能

 米アップルが近く「iPhone(アイフォーン)」などに導入する最新の基本ソフト「iOS14」に、利用者個人ごとに関心のある商品などを表示するターゲティング広告配信を制限できる機能を搭載することをめぐり米SNS大手フェイスブック(FB)が猛反発している。巨大IT両社は過去数年、個人情報問題をめぐり反目していたが、今回はインターネット広告をめぐる新たな対立が表面化した。

 端末データ収集停止

 FBは8月26日、iOS14搭載端末からは、自社アプリを通じた利用者の端末データ収集をやめる方針を明らかにした。これにより、「オーディエンス・ネットワーク」と呼ばれる開発者向け広告プラットフォームなど同社のターゲット広告事業への大打撃が予想される。

 アップルは6月の開発者向け会議(WWDC)で、iOS14への移行に際し各端末に割り当てられたIDに当たる広告識別子(IDFA)のオプトイン(承諾した顧客だけを対象にする方式)化を打ち出している。個人情報とiOS利用者データの安全性向上に向けた広範な取り組みの一環に当たる。

 FBをはじめとするアプリ開発会社はこれまで、IDFAを使って広告のターゲット設定や効果の測定を行ってきた。だがiOS14移行後は、IDFAを取得する前に利用者に警告を表示し、利用者からIDFA取得の承諾を得ることが必要になる。これにより開発者のIDFA情報へのアクセスが大幅に制限されると多くの広告業界関係者はみている。

 FBが8月26日明らかにした方針は「オーディエンス・ネットワークが深刻な影響を受ける」との判断によるものだ。

 多くの開発者がモバイルアプリ内での広告表示にFBのプラットフォームを利用しており、広告のターゲット設定に役立つIDFA情報がなければ、オーディエンス・ネットワークの売上高は最大で半減する可能性があるという。FBはiOS14の利用者向けサービスの全面的な廃止も検討している。

 FBは「当社が望む変更ではないが、残念ながらiOS14への移行により、今回の決断を余儀なくされた。広告主がiOS14上でオーディエンス・ネットワークを通じて収益を上げる能力に甚大な影響を及ぼす可能性があると認識している。また、当社が最善を尽くしても、iOS14上でオーディエンス・ネットワークが本当に機能しなくなり、将来的にiOS14に同サービスを提供する意味がなくなる可能性がある」と説明した。

 中小スポンサー阻害

 さらにFBはアップルの変更について「以前から世界的な経済危機に対処してきた中小企業の障害になる」と非難し、「当社はiOS14が多くの開発者やかねて厳しい事業状況にある広告主を損ねると理解している」と主張。8月中旬には、アップルがアプリ内購入に課す30%の手数料がアプリ開発者の事業を損なうと批判していた。

 ネット広告をめぐっては、アップルが利用者の個人情報保護の擁護者を自認。これに対しFBはアップストアをめぐるアップルの権限が開発者や中小企業の不都合を招いていると攻撃している。(ブルームバーグ Kurt Wagner)

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