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破竹のZoomが圧倒の決算 株価一時47%高…香港一の富を築いた投資家も

 コロナ禍のビデオ会議需要の拡大を背景に、「Zoom」を運営する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの勢いが止まらない。「今年の流行株」とも呼ばれる同社の株価は、1日の米株式市場で前日比41%の急騰、一時は47%高を付けた。8月31日に発表した5~7月期(第2四半期)決算がアナリスト予想を圧倒的に上回る好決算で、業績見通しも予想を大幅に超えたことが追い風となった。

 5~7月期6.6億ドル

 株価急伸でエリック・ユアン最高経営責任者(CEO)の純資産は1日で66億ドル(約7000億円)増加。ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、ユアンCEOの資産総額は約230億ドルに押し上げられた。

 5~7月期決算の発表資料によれば、売上高は6億6350万ドルと、前年同期の4倍余りに増加。ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均は5億ドルだった。一部項目を除いた1株利益は92セントと、アナリスト予想平均の45セントを大きく上回った。

 通期については売上高が最大23億9000万ドル、調整後1株利益が2.40~2.47ドルになると予想。アナリスト予想平均は売上高が18億1000万ドル、1株利益が1.25ドル。同社はこれまで通期売上高を最大18億ドルと見通していた。

 また、ズームを利用する従業員11人以上の法人数は37万200件と前年比5倍余り増加し、同社のサービスに10万ドル超を支払う顧客数は988件と2倍余り増えた。

 ユアンCEOは、各組織や企業が当面の事業継続ニーズへの対応から、将来的なリモート勤務やリモート学習のサポートに移行しているとの見方を示している。

 決算発表後のズームの株価は時間外取引で一時9%余り上昇。通常取引の終値は前週末比8.6%高の325.10ドルで最高値を更新していたが、1日にはさらに大きく買われたことになる。

 パイパー・サンドラーのアナリスト、ジェームズ・フィッシュ氏は、ズームは「同一カテゴリーで最高の成長」を示したとし、ズーム株は「今年の流行株」だと強調する。

 株価の割高感や需要の鈍化予想などから、より中立的な見方を持ち、様子見するアナリストもいるが、ブルームバーグがまとめたデータによると、ズームの現在の目標株価平均値は362ドルと、8月28日の222ドルから跳ね上がった。

 李嘉誠氏8.5%保有

 ズームの初期投資家で香港一の富を築いた李嘉誠氏も同社の株価上昇の恩恵を受けている。香港を象徴するいくつかの超高層ビルの建設で知られる李氏が最初にズームに投資したのは2013年。現在92歳の李氏はズーム株を8.5%保有する。これは110億ドルに相当し、李氏の資産の約3分の1を占める。1日の株価急騰で李氏の保有株の評価は1日で32億ドル増えた。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、李氏の資産は現在326億ドル相当だ。

 ズームのユアンCEOは中国出身で、マイクロソフト共同創業者、ビル・ゲイツ氏のインターネットに関するスピーチを聞いたことがきっかけで、米シリコンバレーで働くことを夢みて渡米を試みた。しかし、米国からビザ(査証)申請を8回も拒否されながらもその後、米国に渡り、米国籍を取得。11年にズームを創業した。同社は19年4月に上場を果たし、株価は今年に入ってから6倍に達している。(ブルームバーグ Sophie Alexander、Richard Macauley)

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