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バス会社にバイオ燃料供給拡大 環境ベンチャーのユーグレナ

 環境ベンチャーのユーグレナが、バス会社へ環境にやさしいバイオディーゼル燃料の供給を本格化させている。ジェイアールバス関東(東京都渋谷区)が8月22日に成田空港発着の定期観光バスで採用したのに続き、西武バス(埼玉県所沢市)も9月7日に都内の一部の路線でバイオディーゼル燃料を使った運行を始めた。

 ユーグレナのバイオディーゼル燃料は横浜市鶴見区にある同社の燃料プラントで今年3月から生産している。軽油を90%、ミドリムシと使用済み食用油を混ぜたものを10%の割合で配合した。

 微細藻類の一種であるミドリムシは体長が0・05ミリと髪の毛の直径よりも細いが、光合成で二酸化炭素(CO2)を吸収する。このため、通常の化石燃料よりもCO2排出削減が図れるという。

 西武バスは上石神井営業所(東京都練馬区)と滝山営業所(同東久留米市)に、この燃料を搭載したバスを1台ずつ配置。車体にはオリジナルの塗装を施した。また、ジェイアールバス関東の定期観光バスも成田空港を拠点に運行しており、訪日客に日本の環境技術をアピールしている。このほか、川崎鶴見臨港バス(川崎市鶴見区)もユーグレナのバイオディーゼル燃料を採用している。

 ユーグレナは平成22年からバイオ燃料の研究開発に取り組んでいる。30年11月には広く産業界にバイオ燃料の普及を呼びかける「グリーンオイルジャパン宣言」を発表。横浜市やANAホールディングスなど28の企業や自治体などが参加している。また横浜市鶴見区のプラントで、航空機用のバイオジェット燃料の開発にも着手している。

 国土交通省によると、30年度の日本のCO2排出量11億3800万トンのうち、運輸部門が2億1千万トンで、全体の18・5%を占める。輸送量あたりの排出量ではバスは鉄道の3倍だが、自家用車の約4割にとどまる。環境にやさしい公共交通機関の利用促進を図るうえでも、バイオ燃料の導入は今後も進みそうだ。

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