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日立が英原発から完全撤退へ 昨年1月凍結、官民一体の輸出瓦解

 日立製作所が昨年1月に凍結を発表した英国の原発新設計画に関し、完全撤退する方向で調整していることが15日、分かった。昨年段階で事実上の撤退方針を示す一方、英政府の支援拡大も模索していたが、交渉に大きな進展がみられなかった。将来の事業リスクを背負いきれず、再開は困難との見方が強まっている。取締役会で近く議論する。

 日本政府が成長戦略の柱と位置付け、官民一体で進めてきた原発輸出は瓦解(がかい)することになる。英原発事業費は安全対策コストがかさみ、当初計画に比べ1.5倍の3兆円規模に拡大していた。

 投資を回収する前提になる売電価格など条件面で最後まで英政府と折り合いがつかず、他の民間企業の出資も見込めなくなっていた。日立関係者は、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱や新型コロナウイルス感染拡大で、英政府との協議が停滞していたことも背景と指摘している。

 日立の取締役会は外国人の社外取締役を中心に構成しており「(撤退の方針を示しても)否決される可能性はある」(日立関係者)と慎重な見方もある。

 日立の中西宏明会長がメイ英首相(当時)に支援強化を直接要請するなどしたが、採算の見通しが立たないとして昨年1月に計画凍結を発表していた。

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