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アップルの定額制パッケージ、最安14.95ドル 収益向上の重要要素に

 米アップルは15日、毎年恒例の秋の新製品イベントをオンラインで開催し、複数のサブスクリプション(定額制)サービスをまとめて提供する「アップルワン」を発表した。サービス収入の増加を後押しするとウォール街が期待している待望のバンドル型のサービスだ。この日はアップルワンのほか、スマートウオッチ「アップルウオッチ」とタブレット「iPad Air(アイパッド・エア)」の新モデルなども発表した。

 「iPhone(アイフォーン)」の第5世代(5G)移動通信規格対応モデルは今後発表される見通し。

 年7%押し上げ予測

 同日の発表によると、アップルワンではアップルミュージックとアップルTV+(プラス)、iCloud(アイクラウド)のストレージ容量追加を含む複数のサービスを個々の契約の合計より安い料金で提供する。

 アップルミュージックと定額制ゲームサービスのアップルアーケード、アップルTV+とiCloudのストレージ容量50ギガバイトなどを含む個人プランは月額14.95ドル(約1570円)。このファミリー向けプランは同19.95ドル。プレミアプランは29.95ドルで、アップル・ニュース+とアップル・フィットネス+、iCloudのストレージ容量2テラバイトが追加される。

 発表資料によれば、標準の月額料金を基にすると、個人プランで6ドル余り、ファミリープランで8ドル強、プレミアプランで25ドル余りの節約になるという。

 米ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダニエル・アイブス氏は顧客向けリポートで、「市場の注目は依然、10月の早い時期からスタートが見込まれる5G対応のiPhone12のスーパーサイクルだが、アップルウオッチとiPad Airの新モデル、定額制サービスのパッケージは、2021年度以降に同社が成功するための重要な要素だ。同サービスについて当社は、インストールベース(実際に使われている製品台数)のさらなる収益化に取り組むうえで賢明な戦略と見なしている」と指摘し、アップルワンでサービス収入が年5~7%増加すると予測した。

 音楽配信で優位性も

 アマゾン・コムは配送料無料と動画ストリーミングなど多くのサービスをまとめた月額や年額の「プライム」プログラムで会員を集めており、アップルもアップルワンでプライムと同様に顧客信頼性を高めようとしている。

 アップルにはアマゾンのような大型の電子商取引(EC)向け配送、物流ネットワークはないが、何億にも上る同社のハードウエア愛用者は、デジタルサービスのサブスクリプションの一部を前々から利用している。プライムとは異なり、アップルはさまざまな価格でそれぞれのサービスに変化をつけている。 一方、アップルミュージックと音楽配信で競合するスウェーデンのスポティファイ・テクノロジーは、アップルが不当に「自社の(音楽配信)サービスを優遇している」と批判。欧州の独禁当局への苦情申し立ての内容を繰り返した。

 アップルミュージックはアップルウオッチとスムーズに統合され、端末上でスポティファイを使用する際には利用できない機能を一部提供。つまり、アップルワンがアップルミュージックに新たな優位性をもたらす可能性がある。

 スポティファイは「独禁当局に直ちにアップルの反競争的な行為を制限する行動を起こすよう求める。放置すれば、開発者のコミュニティーに取り返しのつかない損害を及ぼし、音楽を聴く、学ぶ、創り出す、つながるといったわれわれが共有する自由が脅かされる」と主張している。(ブルームバーグ Mark Gurman)

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