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デジタル庁創設で推進もリスクも浮き彫り 

 デジタル政府の促進を託された平井卓也デジタル改革担当相は17日の記者会見で「幸せが感じられる社会をデジタルで作る」と強調、デジタル庁新設を急ぐ意向を示した。新型コロナウイルスで浮き彫りとなった“デジタル後進国”からの脱却を一気に進めたい考えだが、足元ではNTTドコモの電子マネー決済サービス「ドコモ口座」で不正な預金引き出しが発覚するなど、デジタル化の負の側面も顕在化している。

 デジタル庁新設を急ぐのは新型コロナで10万円の特別定額給付金で混乱が生じた他、国と地方自治体でデータシステムが異なるなど日本のデジタル化の遅れが露見したからだ。デジタル社会が実現すれば、便利で効率的な世の中になるとされる。しかし、サイバー攻撃などこれまでになかったリスクへの警戒も重要だ。

 リスクの温床はドコモ口座など、新しいサービスだけではない。こうしたサービスと連携した結果、ゆうちょ銀行では100件超・計2千万円超の不正引き出しが判明。みずほ銀行も過去1年以上前に複数の電子決済サービスを使った不正な預金引き出しがあったことを明らかにするなど、これまで安全と思われていた大手行でも不正な引き出しが確認された。

 平井氏は「やられても対応できる状況を作れば利便性がリスクよりはるかに上回る」と強調するが、急速なデジタル転換は高齢者が取り残される懸念もある。急ぎつつも丁寧な取り組みが求められている。(蕎麦谷里志)

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