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文具メーカーが照準をオフィスからリビングに インテリア性、デザイン性を充実

 新型コロナウイルス感染症対策に伴う在宅勤務の普及や外出自粛の拡大で、自宅で過ごす時間が増える中、文具メーカーが新たな生活様式への対応を模索している。オフィス用途が主流の商品に、自宅リビングにも溶け込むデザインや機能を持たせた商品を開発。生活全般での利用シーンの拡大を見込む。新型コロナの収束が見込めない中、商品強化の動きが広がりそうだ。

 「自宅の中にあって楽しく暮らすための相棒になってほしい」。キングジムの開発担当者は、10月1日に発売するラベルプリンター「テプラ」PROシリーズの新商品「MARK(マーク)」(本体価格1万5千円)の利用シーン拡大に期待を寄せる。

 マークは新開発のスマートフォンアプリと連携。誰でもデザイン性の高いラベルを作ることができる。外観のカラーもベージュなどインテリアに合わせやすくした。想定するのは自宅を整理して生活を充実させる使われ方。在宅勤務で増えた書類を分類したり、おしゃれなラベルで生活雑貨をランクアップできるという。

 ホームセンターを展開するDCMホールディングスによると、4~7月はシュレッダーやコード付きタップなどの売り上げが前年の1・2~1・3倍となるなど、オフィス向け事務用品が自宅向けとして売れた。また「無印良品」を展開する良品計画では、デスクワークをしながら香りを楽しめるフレグランスオイルが売れるなど、在宅勤務を生活の一環と位置付けて充実を図る動きが出ている。

 プラスは昭和59年に発売し、累計約650万個を売り上げた文具セット「チームデミ」を10日に“復活”販売した。本体価格は6千円。はさみやのりなど8アイテムをコンパクトなケースに収納した質感の高さが売りで、同社は「自宅時間が増える中、使ってわくわくする生活を送ることができる」と自信を見せる。

 コクヨが8月に品ぞろえを拡充したのは、透明な袋に書類を差し込んで整理するクリアブック「グラッセル」(オープン価格)。どこでも合わせやすい9色の展開に加え、収納スペースが限られる自宅利用を想定し、背幅が変化することで書類が増えても表紙が膨らみにくくした。

 担当者は「文具は今や会社の備品ではなく、愛着を持って生活を共にするものとして位置づけが変化している」と話している。(佐久間修志)

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