インタビュー

ニッセイ基礎研究所に聞くコロナ禍 外国人労働者に影響大

 ニッセイ基礎研究所総合政策研究部研究員・鈴木智也さんに聞く

 --新型コロナウイルス感染拡大が雇用に与えた影響は

 「コロナ禍は需要を蒸発させた。雇用調整の可能性がある事業所は多数あり、環境は急激に悪化した。特に外国人労働者にとって厳しい状況となっている」

 --コロナ禍以前の外国人労働者の動向は

 「2018年に出入国管理法が改正するなど受け入れ拡大を進めていた。外国人労働者数は13年以降7年連続で過去最高を更新し、依存度を高めていた」

 --コロナ禍が外国人労働者に与えた影響は

 「宿泊や飲食、小売りなどで打撃が大きい。賃金や雇用機会の面で都市部に居住する場合が多く、都市を中心に感染が広がった新型コロナの影響を強く受けている」

 --外国人労働者は現在、どのような状況にあるか

 「生活に困窮した外国人労働者や留学生からの相談が支援団体や地方自治体などに数多く寄せられている。生活に困窮した外国人労働者は、民間団体や企業などからの支援で急場をしのいでいる。公的な統計がないことから問題が見えにくく、忘れられた存在になりかねない」

 --外国人労働者への対応は十分か

 「セーフティーネットの拡充が求められる。1人当たり10万円の特別定額給付金や雇用維持の雇用調整助成金は外国人も対象となった。ただ、学生向けの給付金や緊急小口資金の貸し付けは地域によっては制限付きの措置となっており、日本人と同等の措置が必要だ」

 --中長期的な外国人就労政策には何が求められるか

 「農業や漁業など外国人労働者なしでは成り立たない産業があるのは事実。人口減少が進む中、貴重な人材であるとの認識を強く持つべきだ。労働力の確保を外国人に求めるのであれば、どんな人材を、どう受け入れていくかを明らかにし、目指す社会像を国民で共有しなければ議論は前に進まないだろう」

【プロフィル】鈴木智也

 すずき・ともや 早大院修了。2011年4月、日本生命保険入社。日本経済研究センター派遣を経て18年、ニッセイ基礎研究所。日本経済・金融が専門領域。静岡県出身。

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