話題・その他

世界で上場廃止の動き拡大 前年同期比26倍、孫正義氏もMBO検討か

 企業が今年発表した関連団体による株式非公開化(上場廃止)の取引が前年同期比で約26倍の260億ドル(約2兆7500億円)と急増していることがブルームバーグのまとめで分かった。これらの取引の多くは大金持ちの創業者が低コストの資金調達や自社の株価低迷の機会を利用して行ったものだ。

 日本の孫正義氏やフランスのパトリック・ドライ氏ら世界の億万長者は、株式市場のスポットライトを浴びないよう重要資産の非公開化を目指している。非公開化に動けば、不安定な市場や一段と主張を強める株主に対応する必要がなくなる。

 スイスの金融大手UBSの欧州・中東・アフリカ担当プライベート・キャピタル市場責任者イザベル・トレダーノコートゥリス氏は「ここ数年、より長期間にわたって非公開でいることを決める企業が増えていた一方で、上場企業が非公開化を目指す傾向もみられる。これは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による市場の不安定化を考慮して、ここ数カ月の間に進行している。非公開であれば、計画をより柔軟に実行できる」と解説した。

 複数の関係者によれば、ソフトバンクグループの孫正義社長は、同社のマネジメント・バイアウト(MBO、経営陣が参加する買収)案を再検討している。これは同社の1260億ドルの時価総額と幅広い投資ポートフォリオの価値のギャップに対して不満を募らせていることの表れだ。11日には、ドライ氏が欧州通信事業者アルティス・ヨーロッパの未保有株の買収に25億ユーロ(約3100億円)を提示した。

 約2週間前にはドイツのロケット・インターネットがフランクフルト市場とルクセンブルク市場での上場を取りやめる計画を発表。資産家のザンバー兄弟が支援する同社は、株式市場への上場はもはや資金調達の最良手段ではないとし、将来の事業拡大では私的な資金調達を頼りにできるとの見解を示した。

 富裕層がこうした取引を模索する背景には、ディールメーキング全般が低迷している状況があり、ブルームバーグのまとめによれば、企業のM&A(企業の合併・買収)総額は2020年に33%減少した。不人気な資産を従来買っていたプライベート・エクイティー(PE、未公開株)投資会社はほとんど静観しており、手元資金が記録的水準でも投資額は今年15%減少した。(ブルームバーグ Dinesh Nair、Ruth David)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus