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宇宙資源所有権の議員立法 背景に月面の水資源獲得競争

 超党派議連「宇宙基本法フォローアップ議員協議会」が宇宙資源の所有権を民間企業に認める議員立法を目指すのは、激化する各国との宇宙開発競争に乗り遅れないようにする狙いがある。月面の水資源獲得競争などで後塵(こうじん)を拝せば、将来的な国力低下につながりかねない。

 宇宙資源をめぐっては近年、各国の月面探査競争が激化している。中国は昨年1月、電波が直接届かないため難しい月の裏側への着陸に世界で初めて成功した。米国は有人探査「アルテミス計画」を打ち出し、日本も参加を表明。インド政府やイスラエルの民間企業も月面探査に乗り出す。

 背景には月面に存在するとされる水が、燃料や生活用水に利用できることがある。月での水獲得に成功すれば、月面での活動に利用できるだけでなく、火星など次の天体への活動拡大に先鞭(せんべん)をつけられる。

 一方、宇宙空間での法的枠組みは米ソ冷戦時代に発効した宇宙条約があるが、所有権など権利関係のルールは不明確だ。収益を上げる保証がなければ民間企業が参入するインセンティブが働かず、官民挙げての宇宙開発を進める上で障壁となる。法整備を経た米国やルクセンブルクではパイオニアとなる企業が本店を置くなど企業集積が進む。

 ただ、国際ルールが定まらないまま国内法を先行させれば国際的な批判につながる恐れもあり、政府が二の足を踏む実情もある。一方で、法整備による許可運用が厳しければ、逆に成長を妨げる恐れもあり、バランスのいい運用が必要だ。

 宇宙資源ビジネスに詳しい西村あさひ法律事務所の水島淳弁護士は「民間企業に事業活動の合法性を担保しなければ他国に後れを取り、投資の減少も招きかねない。国際協調を妨害しないことを前提とし、まずは視野に入る部分から段階的に規制していくことだ」と話している。(市岡豊大)

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