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「新快速」関西の通勤担い50年 時速130キロも時代に即し快適さ追求

 関西の通勤通学の足を支えてきたJR西日本の「新快速」が10月1日に誕生から50年を迎える。敦賀(福井県敦賀市)-播州赤穂(兵庫県赤穂市)の275.5キロに及ぶ長距離を特急並みの最高時速130キロで結ぶ看板列車に成長した一方、速さ重視の姿勢は尼崎脱線事故につながるひずみも生んだ。JR西はゆとりのあるダイヤに改正し「安全を第一に、これからも親しまれる存在でありたい」と意気込む。

 「移動はいつも新快速。生活になくてはならない存在です」。通勤で神戸-新大阪間を利用する神戸市兵庫区の会社員、黒田益代さん(51)の乗車歴は兵庫県姫路市に住んでいた学生時代から約30年。中央の通路を挟んで2人席が並ぶクロスシートも「個室感があって書類の確認やメールチェックに集中できる」とお気に入りだ。

 新快速の誕生は旧国鉄時代の1970年10月。113系車両が京都(京都市)-西明石(兵庫県明石市)間を79分で結んだ。車両性能で私鉄に後れを取っていた国鉄が、速さを売りに高度経済成長期で高まる旅客需要を取り込んだ。

 72年に急行用車両の153系「ブルーライナー」を導入。区間を延ばし、86年から特急や貨物列車が走る線路「外側線」も活用し、新型車両投入のたびに速さに磨きをかけた。95年の阪神大震災では神戸市の六甲道駅が倒壊するなど甚大な被害を受けたが、私鉄に先駆けて2カ月半で復旧。同年9月に高速車両の223系を導入、復興を印象付けた。99年には最高時速130キロ走行を始めた。

 だが2005年の尼崎JR脱線事故で、安全を脅かす過密ダイヤは世間の厳しい批判を浴びた。JR西は翌年から新快速でも各駅間の所要時間を延ばした。当時、新快速の運転士だった小田和人さん(60)は「以前は列車を遅らせたくないと焦ることも多かったが、落ち着いて運転できるようになった」と振り返る。

 近年は混雑緩和のため8両編成を12両に増やし、電源やWi-Fiが使える有料座席「Aシート」を導入するなど快適な空間づくりに力を入れる。新快速の歴史に詳しい京都鉄道博物館の岡本健一郎学芸員は「新型コロナウイルスの影響で乗客数は減っているが、時代に即して進化してきた新快速は関西の交通の軸として活躍し続けるはずだ」と期待している。

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