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カーブミラーでシェア1位、理由は「立地とニッチ」にあり (1/2ページ)

 道路の至るところで目にするカーブミラー(道路反射鏡)の国内製造シェア日本一の企業は福井市にある。もとは浴槽などの製造を手掛けていたが、ひょんなことからカーブミラーの生産に乗り出した。さらに、業界のトップメーカーとなったのは、福井に立地していたことが大きく影響したという。

 巨大ミラーに木製ミラー

 福井市の「ナック・ケイ・エス」の駐車場にはカーブミラーが約40個、ずらりと並ぶ。同社を中核とするナックグループはカーブミラーの国内製造シェア1位で、この不思議な光景を作り出すのは、製品の経年変化を確かめるためだ。

 「通常、道路にあるカーブミラーは直径60センチか80センチ。これは、採石場向けに注文があったものだ」

 海道和男社長(57)が商品展示室で指さしたのは、小柄の人ならすっぽりと隠れるほどの採石場向けのカーブミラー。直径1・5メートルにもなる同社最大の製品だ。

 ほかにも同1・2メートルのトラックターミナル用、屋内駐車場などに使われる同30センチサイズと、種類はさまざま。木製枠に収めたカーブミラーもあり、城郭や寺社で使われるそうだ。

 取引先の製造中止が転機

 自社ブランドのカーブミラーは国内製造シェア4割のトップメーカー。カーブミラーの鏡面の材質はステンレス、化学強化ガラスなどいろいろあるが、同社が得意とするのはアクリル製のミラー。これに限れば7割のシェアを持つ。

 同社は昭和45年、海道社長の父で会長の長(はじめ)さん(90)が創業。当初は繊維強化プラスチック(FRP)製の浴槽や水槽タンクを製造していた。

 受注したFRP製品の一つに、カーブミラーの裏板があった。だが、その発注元の会社がカーブミラー製造をやめることになった。「ナック」ではその会社のカーブミラーを仕入れて売っていたといい、「供給を止めないため」(海道社長)と47年、カーブミラー全体の製造を手掛けるようになった。50年には、それまで他社から仕入れていた鏡面についても自社製造に乗り出した。

 要望に応える技術力

 ひょんなことからカーブミラーの製造に乗り出した同社。それが今では国内トップシェアを誇るまでに成長した。その理由を海道社長は「お客さまが望むことを形にしていき、一つ一つ積み重なっていったから」と話す。

 国内外4300に及ぶ特約店を通じ、細かなニーズを把握。例えば柱、壁、天井といろいろな場所に合わせて、設置金具を製造した。また、浴槽製造で磨いてきた設計や強度計算の技術を生かし、「もっと幅広く見えるミラーにしてほしい」「特産品のリンゴの形にしたい」という要望にも対応してきた。

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