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関電、福井の原発安全工事完了も根強い不信感 地元の同意が焦点に

 関電が原則40年の運転期間を超えて再稼働を目指す福井県の原発2基で安全対策工事が完了し、今後は地元での再稼働同意をめぐる議論へと焦点が移る。地元議員に対する共同通信のアンケートでは、県議会多数派の自民党議員の大半が無回答だったものの、回答者では再稼働容認が過半数を占めた。ただ、発覚から1年となる役員らの金品受領問題で関電への不信感が根強いことも浮き彫りとなった。

 4つの壁

 「直ちに再稼働の議論を始められる状況にはない」。18日、美浜原発3号機(美浜町)と高浜原発1号機(高浜町)の安全対策工事完了を報告した関電に、県幹部は厳しい表情で伝えた。美浜町の戸嶋秀樹町長、高浜町の野瀬豊町長も同様の見解を示している。

 再稼働に当たり、町議会、町長、県議会、知事の4段階で同意を取り付けるのが通例。2018年に国の新規制基準下で再稼働した関電大飯原発3、4号機(おおい町)では、町議会同意から約3カ月で知事同意に至った。

 関電は今年8月、美浜と高浜の2基を来年1~3月にも再稼働するとの工程を公表したが、同意に向けた4つの「壁」を関電の思惑通りに越えられるかは不透明だ。

 高浜町議会原子力対策特別委員会では今月25日、市民団体が再稼働同意を求めた請願を審査したが「可決すると議会同意と取られかねない」として継続審査となった。

 共同通信は地元議員の考えを探るため、8、9月に福井県議35人と美浜町議14人、高浜町議14人の計63人にアンケートを実施。県議9人、美浜町議7人、高浜町議10人の計26人から回答を得た。県議の7割超の26人を占める自民県議では、24人が無回答だった。

 回答者の6割超に当たる16人が再稼働を容認。「町の経済、雇用、財政面から必要」(小幡憲仁高浜町議)「国が40年超運転や原子力の必要性を明示することを条件に賛成」(田中宏典県議)などと答えた。

 反対は7人で「多くの県民は長期の原発依存を望んでいない」(佐藤正雄県議)「老朽原発の安全対策は不可能」(松下照幸美浜町議)とした。

 迫る選定期限

 金品受領問題での関電の再発防止策や地元説明が「十分」との回答は2割弱。再稼働には賛成しつつ「不十分」と答えた議員も目立ち、関電には厳しい目が向けられる。

 同意の議論で重視する点を複数回答で尋ねると、7割以上が「安全性についての地元理解」を選んだ。老朽化対策や地元の雇用維持を上回った。

 また同意の足かせになり得るのが、使用済み核燃料の県外搬出。関電は17年、大飯原発の再稼働に県が同意する代わりに、搬出先の候補地を18年に示すと約束した。だが選定は難航し「20年を念頭に」と修正した上、期限が3カ月後に迫った今も提示できていない。

 アンケートでは再稼働に向けて年内提示の有無を重視するとの回答もあった。杉本達治知事は「約束の履行が同意判断に影響する」と言及し、関電に回答を迫っている。

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