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米TikTokは当面配信継続 政権の禁止発効直前に地裁が差し止め

 米首都ワシントンの連邦地裁は27日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の配信禁止などの措置を一時差し止める判断を示した。親会社である中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)がティックトック持ち分を米国企業に売却しない限り配信を禁止するとした大統領令に対し、バイトダンスが差し止めを要請していた。

 再び司法の壁

 中国系人気アプリをめぐっては、サンフランシスコの連邦地裁が19日、中国のIT大手、騰訊控股(テンセント)が運営する通信アプリ「微信(ウィーチャット)」に対する米国での運営禁止措置の一時差し止めを命じている。米大統領選挙が近づく中、中国政府に米国民の個人情報が流出する国家安全保障上の脅威を理由に、これら中国系アプリの米国での事業停止を求め、対中強硬姿勢を強めていた米政権だが、再び司法の壁に阻まれた。

 ワシントン連邦地裁のカール・ニコルズ判事は異例となる日曜午前の審理の後、同日発効予定だったティックトックの新規配信禁止の暫定的な差し止め請求を認めた。差し止め命令が出されなければ、米東部時間午後11時59分(日本時間28日午後0時59分)に配信禁止措置が発動し、米国のアップルとグーグルのアプリストアからティックトックが排除されていた。

 11月期限はなお有効

 ただ、ティックトックの売却が成立しない場合に11月12日に予定される利用の全面禁止措置については、差し止めを命じなかった。

 バイトダンスは、ティックトック米国事業持ち分のオラクルとウォルマートへの売却承認を目指す中で、トランプ政権と法廷闘争を続けている。ティックトックの代理人であるジョン・ホール弁護士は27日の審理で判事に対し、「進行中の交渉によってアップストア禁止措置が必要ではなくなる可能性があるにもかかわらず、それを科すというのはいったいどのような意味があるのか」と訴え、トランプ大統領自身が合意するよう求めている交渉をバイトダンスが進めているときにティックトック配信を禁止するのは筋が通らないと主張した。

 それに対し、米司法省側のダニエル・シュウェイ弁護士は、データが中国政府に利用されるリスクがあると反論。「これは今日の脅威、リスクであり、今日対処しなければならないものだ」と述べた。

 地裁の判断後に、ティックトックは声明で「裁判所が当社の法的請求を認め、ティックトックの配信禁止措置の一時差し止め判断を下したことを喜ばしく思う」としたうえで「大統領が19日に暫定承認した(米オラクルなどとの)提携の正式合意に向け、米政府と対話を継続する」と強調した。

 米商務省は声明で、「政府は差し止め命令を順守する方針であり、そのための緊急措置を講じているが、大統領令と商務長官の履行の取り組みを法的な異議申し立てから積極的に守っていく」と表明した。一方、財務省報道官は11月の売却期限はなお有効だと述べた。政府が控訴すれば、高裁で争われることになる。(ブルームバーグ David Yaffe-Bellany、Chris Dolmetsch)

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