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花王社長に長谷部専務が昇格 コロナ禍逆風に「初心忘れず」

 花王は29日、長谷部佳宏取締役専務執行役員(60)が社長に昇格する人事を発表した。沢田道隆社長(64)は代表権のない取締役会長に就く。いずれも令和3年1月1日付。長谷部氏は同日の記者会見で「身の引き締まる思い。この転換期を社員と一眼となって乗り越えたい」と抱負を述べた。

 長谷部佳宏氏(はせべ・よしひろ)東京理科大卒。平成2年花王。常務執行役員などを経て30年1月から取締役専務執行役員。60歳。宮城県出身。沢田道隆社長は代表権のない会長。令和3年1月1日就任

    

 現社長の沢田道隆氏と同じく研究畑を歩んできた。沢田氏とは和歌山の研究所で机を並べた経験があり、「最も尊敬する先輩で上司」と慕う。社長職には大きな責任が伴うが、「兄貴とも言える方が託すバトンを受けないわけにはいかない」と就任を受諾した。

 今回の人事は、取締役選任審査委員会が約1年をかけて決めた。記者会見に同席した門永宗之助委員長は「構想力があり、それに基づくリーダーシップを発揮している」と長谷部氏の資質に太鼓判を押す。

 だが日用品で国内トップをひた走る超優良企業の花王も、足下では厳しい経営環境に直面している。新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド(訪日外国人)需要が減少。マスク着用の常態化もあり、化粧品販売は振るわない。令和2年12月期の本業のもうけを示す連結営業利益は、平成24年12月期の決算期変更以来、初の減益を見込む。

 長谷部氏は新規事業創出を課題に挙げる一方、大量消費時代が終わりを迎えつつあり、「薄利多売では消費財メーカーは生き残れない」と強調する。沢田氏から引き継ぐバトンは「人生最大級の重さ」だが、座右の銘である「初心忘れず、日々新たに」を胸に刻み、難局に立ち向かう覚悟だ。(井田通人)

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