テクノロジー

「月面燃料工場」2030年代に実現 JAXA構想、水から水素製造・現地調達

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2030年代半ばにも月面に燃料工場を建設し、広範囲の探査を目指す構想が28日、明らかになった。日本主導で月面に眠る水から燃料の水素を製造。上空を飛ぶ基地との行き来や月面移動に必要な動力を得る。地球から燃料を輸送する手間や費用を減らす狙いがある。

 日本は米国と協力し、20年代に月周回基地「ゲートウエー」を建設する。その上で、氷があるとみられる月の南極地域に35年ごろを目標に工場を建設。採取した水を太陽電池を使って水素と酸素に分解し、燃料とする。日本人を含む宇宙飛行士が月面で最大1000キロ移動する。

 工場で生産する水素と酸素は、反応させて再び水にする(燃焼)際、エネルギーを放出する。ロケットの推進力としても活用されており、月面でも燃料になると期待される。

 離着陸機や月面の有人輸送機は各国の宇宙機関や組織が参加する「国際宇宙探査ロードマップ」に盛り込まれた。

 離着陸機は再使用型で4人乗り。着陸時はエンジンを逆噴射しながらゆっくりと降り、基地に戻る際はロケットのように強く噴射して上昇する。

 有人輸送機は2~4人乗りを想定。重力の小さな月面で、噴射によって機体を斜め上方向に浮き上がらせる方法で、車輪で月面を踏みしめるのではなく跳ねるように移動する。

 JAXAの試算では1回の離着陸で37トン、1回の月面移動で21トンの水を要する。

 月での水採取で有人月面探査を5~7回行うなら、地球から水を運ぶよりも安く済む算段だ。

 これまでの月上空からの探査で、月の南極付近のクレーターには太陽光が当たらない場所があり、氷があるとみられる。飲料水や燃料に利用できれば、宇宙開発が加速するため、各国が熱い視線を送っている。

【用語解説】各国の月水資源探査 月の水資源の実態を把握しようと各国が調査を計画している。既に無人機の月面着陸を成功させている中国は2020年に、月の表側で土壌採取し地球に持ち帰り調べる探査機を打ち上げる予定。インドも21年ごろに極域近くに着陸機を投入するほか、日本と協力して水の分布を詳しく調べる計画もある。米国は資源掘削用ドリルや土壌の分析装置を備えた無人車を23年後半に送り込む。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus