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NTTがドコモ完全子会社化、国内TOB過去最大4.3兆円 競争力強化を図る

 NTTは29日、NTTドコモの完全子会社化に向け、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。激変するデジタル社会に対応するため、ドコモの競争力強化を図るとともに、NTTグループ全体の成長のため、迅速な意思決定を可能にする。NTTはドコモ株の66.2%を保有しており、残り約34%をTOBで取得する。TOBにかかる費用は4兆3000億円で、国内企業に対するTOBとしては過去最大となる。

 菅義偉内閣は、海外と比較して高額な携帯電話料金の引き下げを業界に求めているが、記者会見したNTTの澤田純社長は「(完全子会社化の)結果としてそういう余力も生まれる」と述べ、値下げにも前向きに対応する意向を示した。

 NTTはドコモを完全子会社化することで、第5世代(5G)移動通信システムやモノのインターネット(IoT)など、先端技術にグループ全体として投資、国際競争力も強化する。

 固定通信とモバイル通信を融合させるため、ドコモを完全子会社に移行した後に、NTT傘下のNTTコミュニケーションズやNTTコムウェアをドコモに移管することを検討することも明らかにした。

 TOB期間は今月30日~11月16日とし、買い付け価格は1株3900円。一方、NTTドコモは吉沢社長が12月1日付で取締役に退き、井伊基之副社長が社長に昇格する人事を発表した。

 ■NTTとNTTドコモをめぐる経過

 1985年4月

 ・日本電信電話公社の民営化でNTTが誕生

   92年7月

 ・NTTが移動通信事業を分離しドコモの所管に

   98年10月

 ・ドコモが東京証券取引所第1部に上場

   99年7月

 ・NTTが分割再編。NTT東日本と西日本、NTTコミュニケーションズが営業開始

 2018年6月

 ・NTT社長に澤田純氏が就任

   20年6月

 ・NTTが第5世代(5G)移動通信システム分野などでNECと資本業務提携することを発表

   20年9月10日

 ・ドコモの丸山誠治副社長が記者会見で「ドコモ口座」をめぐる不正な預貯金引き出し問題について謝罪

   20年9月18日

 ・菅義偉首相が携帯電話料金の引き下げに向けた検討を武田良太総務相に指示

   20年9月29日

 ・NTTが株式公開買い付け(TOB)を通じてドコモを完全子会社化すると発表

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