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漢方薬の原料で化粧品開発、余った葉を活用 「薬都」の商社が挑戦

 医薬品の製造が盛んな「薬都」として知られる富山県で、富山市の商社「やぶうち商会」が、漢方薬の原料となる県産の薬用植物「トウキ」の葉を使った化粧品を開発、新しいブランドを立ち上げた。同社によると、トウキ葉を使った化粧品は日本初という。富山伝統の和漢薬や、最先端の医薬品と並ぶ新たな特産品として普及を目指す。

 新ブランドは「ララハニー トウキ葉コスメシリーズ」。セリ科の植物、トウキの葉から抽出したエキスを使用し、化粧水、美容オイルなどの基礎化粧品をそろえた。インターネットで支援を募ったところ、想定の5倍もの資金が集まり、早くも注目度は高い。

 同社は1962年創業で主力は塗料の製造、販売。里山の保護に尽力、天然由来のせっけん作りを趣味とする専務、藪内朋子さん(52)が「人や自然に寄り添った製品を作りたい」と2011年にゼロから化粧品事業部を立ち上げた。18年に発売した第1弾の商品は、北アルプスの麓で採れた蜂蜜や富山湾の海洋深層水など地元の原材料にこだわった。

 「もっと富山の自然の魅力を伝えたい」。県産の梅やリンゴなどで試作を繰り返し、新商品を模索していた18年秋ごろ、漢方薬の原料として根を使った後のトウキの葉が余っていると聞きつけた。ビタミンを多く含み、ハーブの爽やかな香りがすることに着目。「『薬の富山』をPRできる」と商品化を目指した。

 生産者にとっても渡りに船だった。「葉がもったいなく、食材として生かそうとしたが、うまくいかなかった」と富山市でトウキを育てる奥村輝昭さん(77)は振り返る。県を通じて藪内さんと知り合ったことで、トウキの葉を提供することになった。「生産者の間ではお風呂に入れると肌に良いと言われていた。化粧品にはぴったりだ」。同ブランドは中小企業庁の「JAPANブランド育成支援等事業」にも選ばれ、海外販売へ支援を受ける予定だ。

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