金融

不正送金新手口も、上半期885件・5億円超 29金融機関被害

 今年上半期(1~6月)に全国の警察が把握したインターネットバンキングの不正送金事件は885件(前年同期比702件増)、被害総額は約5億1200万円(3億4600万円増)、被害に遭った金融機関は29行に上ることが警察庁の統計で1日、分かった。大半はショートメッセージサービス(SMS)やメールで金融機関を装ったフィッシングサイトに誘導する手口が使われたとみられる。

 ほかに、他人の口座とひも付けた銀行アプリを使い現金自動預払機(ATM)から現金を引き出す新たな手口を警察として初確認した。6、7月の2カ月間に全国で32件、計約1060万円の被害があったという。

 不正送金をめぐっては、電子マネー決済サービス「ドコモ口座」と他人の銀行口座をひも付けて預貯金を盗む事件など、統計後も被害の発覚が相次いでおり、警察当局が捜査している。

 警察庁によると、被害に遭った金融機関は大手銀行やネット系銀行などが13行(計約4億7000万円)、地方銀行12行(4000万円)、信用金庫3行(200万円)、労働金庫1行(50万円未満)。

 不正送金先は1244口座が判明。名義人の国籍は日本52.0%、ベトナム12.4%、中国3.5%。電子マネーや暗号資産(仮想通貨)の購入、プリペイドカードへのチャージも確認された。

 新たな手口は、一部の銀行が提供する正規のアプリを悪用。キャッシュカードを使わず、銀行口座とひも付けたアプリを入れたスマートフォンで、QRコードなどを使いATMで入出金ができるサービスで、犯人側はアプリをダウンロードし、フィッシングなどで入手した個人情報を入力、他人に成り済まして現金を引き出していた。8月以降は被害が確認されていない。

 また、上半期統計によると、警察庁が全国約8100事業者と情報共有する枠組みで把握した「標的型メール攻撃」は3978件(1291件増)。同一のプログラム、文面で10カ所以上に送信される「ばらまき型」が98%を占めた。

 不正アクセス禁止法違反の摘発件数は235件(53件増)。他人の情報でサイトにアクセスする不正が94.5%に上り、企業の専用サイトやオンラインゲーム、コミュニティーサイトに入り込むケースが目立った。

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