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まるで人間、仮想モデルに脚光 コロナ禍も自粛不要で流行発信

 コンピューターグラフィックス(CG)技術の進歩で、人間さながらの肌の質感や表情を持つバーチャル(仮想)モデルのスターが続々と誕生している。会員制交流サイト(SNS)で積極的に情報発信し、人格を有するように見えるのも特徴だ。新型コロナウイルスで芸能活動が滞る中、実在のタレントを押しのけて脚光を集めている。

 今年4月。中国の有力ファッション雑誌で、日本の新進モデルが表紙を飾った。名前は「imma(イマ)」。ピンク色のボブヘアーが目印の彼女は、国内外に熱狂的なファンを持ち、インスタグラムのフォロワーは約26万人に達する。

 実は彼女は仮想モデルで、昨年設立された東京のベンチャー企業Aww(アウ)が開発した。最新のCG技術を駆使し、髪の毛一本一本まで繊細に容姿を作り込んでおり、守屋貴行最高経営責任者(CEO)は「架空の存在だと気付かない人も少なくない」と話す。

 注目のモデルは他にもいる。日本人の母と米国人の父を両親に持つ設定の「リアム・ニクロ」は、ベンチャー企業1SEC(ワンセック、東京)が2019年に生み出した。はやりのファッションを身にまとい、若い世代の支持を集める。

 活躍ぶりが八村塁選手が所属する米プロバスケットボールNBAのウィザーズの目に留まり、8月に「広告塔」に起用された。最近では選手たちと共演した写真をSNSに投稿している。

 仮想モデルはSNS上で影響力を及ぼす「インフルエンサー」として活動する例が多く、数年前から米国などで台頭した。今年に入って新型コロナの影響で実在のインフルエンサーが活動を縮小し「世界的に一段と注目が集まっている」(宮地洋州社長)という。

 こうした中、仮想モデル専用の芸能事務所が日本で登場した。衣料品通販大手ZOZOの子会社が運営する事務所には、派手な服装で知られる「葵プリズム」など人気モデルが所属する。

 事務所はキャラクターの設定を練り上げ、実際にSNSへ画像やメッセージを小まめに投稿することで固有の人格や思想を吹き込む役割を担う。

 一見手間がかかりそうだが、仮想モデルは恋愛スキャンダルや不祥事と無縁なだけに人間に比べて管理しやすいという。今後は人工知能(AI)で会話機能を持たせたり、拡張現実(AR)技術と組み合わせたりすることで、テレビ番組への出演など活躍の舞台はさらに広がる見通しだ。

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