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危機感強いラジオ業界、何を強みにしたら… 各地の放送局に聞いた (1/2ページ)

 ラジオ復権の切り札と期待される取り組みに番組をインターネット配信するradiko(ラジコ、東京都)がある。設立から10年。民放全99局が参加し、月間利用者数は約900万人で推移するまでに成長した。ただ、勢いが持続するかは分からない。ラジオの魅力を発信し、生活に定着させることが課題だ。(粂博之)

 スマホ普及が後押し

 日曜午後に放送されている「山下達郎の楽天カード サンデー・ソングブック」(東京エフエム)は、この秋に放送開始28周年を迎えた長寿番組だ。9月27日放送の番組中、ミュージシャンの山下達郎さんは、ある異変を語った。

 1970年代から活躍する山下さんのファンは中高年層が中心だが「信じられないこと」に「10代、20代の方々が本当にたくさん(メールやはがきを)くださいます」。その要因は「ラジコ」だろうと指摘した。

 平成22年にサービスを開始したラジコは、スマートフォンの急速な普及に後押しされてきた。ビデオリサーチが昨年実施した調査によると、ラジオを聴く際にネット配信を利用(スマホ、パソコン、タブレット端末の合計)は35%で、ラジオ受信機の36%と拮抗(きっこう)する。世代別にみると、20代の57%、30代の48%がネット配信を利用していた。

 受信機なくても聴ける気軽さ

 ラジコは番組放送と同時配信されるだけでなく、1週間以内ならいつでも聴ける「タイムフリー」や有料会員向けに居住地以外の放送も聴ける「エリアフリー」などの機能も持つ。

 有料会員は約82万人で大部分が東京都内在住者という。ラジコでは、出身地や転勤などでなじみのある土地の放送が聴かれているとみる。ゲーム終了までのプロ野球中継、地方で活動するアーティストや芸能人の出演など、東京では聴けない番組の人気は高い。

 新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が増えたこともあり、今春以降、月間利用者数は過去最高水準で推移。「さまざまなコンテンツのネット配信が普及し、多くの人がなじんできた」ことが影響しているとラジコの青木貴博社長は指摘する。「受信機がなくても聴ける、と気付いたリスナーが移行してきている」

 東京都八王子市の男性会社員(53)は最近、出勤前はテレビをつけずラジオを聴くことにした。「テレビだと目を奪われてあっという間に時間がたってしまう」からだ。電波状況が悪い地域だが、ラジコでストレスなく聴けるという。

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