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運輸各社が需要減で財務強化 西武HDは800億円増資検討、コロナ長期化備え (1/2ページ)

 鉄道や航空など運輸各社が財務基盤の強化を急いでいる。西武ホールディングス(HD)傘下の西武鉄道とプリンスホテルが年内に総額800億円規模の資本増強を検討しているほか、全日本空輸の親会社であるANAHDも返済を後回しにできる「劣後ローン」で計4000億円の融資を受ける方向で調整している。運輸各社は、新型コロナウイルスの感染拡大で需要回復が遅れており、コロナ禍の長期化に備える。

 ANAは劣後ローンで

 西武HD傘下の2社が検討しているのは、優先株発行による第三者割当増資。優先株は議決権がないなどの制限があるが、普通の株式よりも配当や会社解散時の財産配分が優遇される。普通株よりも引き受け手を見つけやすく、今回は主力取引銀行のみずほ銀行や日本政策投資銀行(政投銀)が引き受ける。

 西武HDは新型コロナの影響で鉄道やホテル事業が低迷し、2020年4~6月期連結決算の最終損益が287億円の赤字(前年同期は142億円の黒字)に転落。21年3月期は過去最大の630億円の最終赤字(前期は46億円の黒字)となる見通し。同社は、資産から負債を引いた純資産が一定額を下回ると一部の借金の返済を金融機関から迫られる契約を結んでおり、資本増強の必要性が増していた。西武鉄道、プリンスホテルとも当面の資金繰りにはめどが付いているものの、主力行の支援による資本調達で経営の安定度を高める。

 一方、ANAは返済順位が低い代わりに通常の融資に比べて金利が高い劣後ローンで資金を調達する。劣後ローンの一部は資本とみなされるため、財務基盤の強化につながる。融資額は主力行の三井住友銀行と政投銀がそれぞれ1300億円、みずほが600億円、三菱UFJ銀行が500億円、三井住友信託銀行が300億円となる方向で、月内にも契約する。ANAは21年6月末までに、銀行団から1兆円を超える借り入れと融資枠の設定を受けていた。傘下の全日空グループの4~6月期旅客数は国内線が前年同期比88.2%減、国際線が96.3%減と大幅に落ち込んだ。これを受け、従業員約1万5000人を対象にした給与減額を労働組合に提案。既に実施した夏季一時金の半額削減分も合わせると、年収ベースで平均3割減となる見込みで、大幅なコスト削減を進めている。

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