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アップル、更なる黄金時代へ 低価格の5G対応iPhoneを市場評価

 米アップルが13日、第5世代(5G)移動通信システムに対応する新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のシリーズを発表した。これを手始めに同社の売り上げが新たな成長期に入るとウォール街は見込んでいる。

 699ドルから4種類

 アップルは同日、バーチャル形式の新製品披露イベントでアイフォーンの最新機種「アイフォーン12」を発表。色はブラックとレッド、ブルー、グリーン、ホワイトで、スクリーンのサイズは6.1インチ。価格は799ドル(日本では8万5800円)からとなる。同時に小型サイズの「12 ミニ」も発表した。スクリーンは5.4インチで価格は699ドルから。縁はいずれもアルミ製だ。

 このほか999ドルからの「12 Pro」と、1099ドルからで過去最大6.7インチのスクリーンを備えた「12 Pro Max」も発表した。どちらも縁はステンレス製。Proはパシフィックブルーとゴールド、グラファイト、シルバーの4色展開となる。

 一部のアナリストはアップルの価格戦略を評価しており、特に699ドルのミニは比較的古い小型の機種からの乗り換えを促す可能性がある。

 ベテランアナリストのジーン・ミュンスター氏はミニについてツイッターに「夢のような価格帯に達した」と投稿した。パイパー・サンドラーのアナリスト、ハーシュ・クマー氏はリポートで、「われわれの見通しよりも価格は低めだった。今の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の状況では重要だ」と指摘。同氏は低めの価格設定が、アップル製品のインストールベース(実際に使われている台数)拡大につながり、より収益性の高いサービス事業をさらに成長させる可能性があるとみている。

 「12」シリーズの前面は昨年発売の「11」と似ているが、縁は丸みを帯びた形からフラットなものに変更された。

 性能面では、より高速のプロセッサー「A14バイオニック」を搭載し、カメラ機能も向上。スクリーンは有機EL(OLED)でより鮮明になった。A14バイオニックは、「11」シリーズに搭載された「A13」に比べ50%高速化したと、アップルは説明している。

 発売日は12と12 Proが23日、12 ミニと12 Pro Maxが11月13日。予約注文は12と12 Proが10月16日から、12 ミニと12 Pro Maxが11月6日から受付を始める。

 中国販売に期待感

 新シリーズは3年ぶりの大幅デザイン変更で、機種変更や新たな購入の伸びを促す可能性がある。投資家やアナリストらは、5G通信網が米国に比べて広く構築されている中国での販売に期待感を強めている。

 ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は「当社予測では、世界9億5000万台のアイフォーンのうち3億5000万台が現在アップグレードの時期にあり、アップルにとって前例のないアップグレードサイクルにつながると考える」と述べた。

 今年発売の新型アイフォーンは全て5Gに対応している。移動通信事業者による通信網の更新次第とはいえ、5Gの通信速度は現在の「4G LTE」の10倍にも達する。アップルは全世界100の通信事業者と5Gのテストを実施し、米国販売モデルはミリ波帯にも対応すると説明している。

 この日のイベントには米移動通信事業者最大手のベライゾン・コミュニケーションズのベストバーグ最高経営責任者(CEO)も参加し、米全土での5Gサービスの開始と、ミリ波通信による同社最速の超広帯域5Gサービスの提供地域の拡大を発表した。(ブルームバーグ Mark Gurman、Jeran Wittenstein)

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