金融

香港出身投資バンカー受難 本土人材が侵食、上級職の大半占める

 香港で地元出身のインベストメントバンカーが花形ディールメーカーの地位を中国本土のライバルに急速に奪われつつある。アジア最大の金融ハブ(拠点)である香港で、上級職の大部分を本土の人々が占める事態になっている。

 こうした流れは、厚みを増す本土人材と、本土顧客の香港での絶大な存在感を考えれば以前から不可避とみられていたが、最近のペースには業界のベテランの一部も驚きを隠さない。昨年、政府に対する抗議活動が激化した後、中国の証券会社が香港出身者の採用や昇進に二の足を踏むようになったことも一因だとベテランは指摘する。

 人材紹介会社ロバート・ウォルターズによれば、香港の投資銀行職全体に占める地元出身者の割合は約30%と、2年前の40%から低下。今では60%を本土の人材が占め、残り10%が海外出身者だ。幹部人材斡旋(あっせん)会社ウェルズリーによると、業界上級職にも同様の傾向が見られ、本土勢が半分余りを占めている。

 顧客との関係にそれほど依存しないトレーディングなどの仕事は比較的安定しているが、中国はグローバル企業が香港を経由せずに本土市場に直接アクセスしやすくする方向に動いており、それらの職も脅かされている。

 ロバート・ウォルターズのリージョナルディレクター、ジョン・ムラリー氏は「中国本土からのディール案件がかなりの比率を占めており、その関係の多くが本土出身バンカーとのつながりであることは理解できる」と説明。20年前は業界の本土出身者の割合は15%にとどまっていたという。(ブルームバーグ Cathy Chan)

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