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下水処理水でアユ養殖試験 山形県鶴岡市、今年度2000匹育つ

 栄養分が豊富に含まれる下水処理水の有効利用を目指す山形県鶴岡市の浄化センター内で、アユの養殖試験が進んでいる。昨年始まった取り組みで、今年度も約2000匹のアユが元気に育った。香りや味の評判も上々で、市はブランド化を目指している。

 鶴岡市は、処理水などを農水産業に活用するよう国土交通省が推奨する「BISTRO下水道」に取り組み、飼料用コメを栽培するなどしてきた。今回アユに白羽の矢が立ったが、処理水を水産物に活用するのは全国でも珍しいという。

 処理水は紫外線消毒を施している。水温は約30度と高く窒素やリンを多く含むため、アユの餌となる藻が育ちやすい。センター内に造った池で今年は6月上旬から養殖を始め、約3カ月で約20センチまで育った。市下水道課浄化センターの松浦正也主査は「通常の養殖よりも成育は早いと思う」と話す。

 処理水には成育に有害なアンモニア成分が多く含まれ、濃度を抑える必要がある。そのため、あらかじめ処理水をクレソンや空心菜などの水耕栽培に使い、アンモニア成分を吸収させた。

 水産関係者によると、センター内で成育したアユは新鮮な天然物同様にスイカのような香りがする。市は県漁協の水産加工場にアユを提供して活用方法を探る。

 一方、処理前の下水から他県で検出された例もある新型コロナウイルスへの不安をどう払拭するかが今後の課題。抵抗感がある人もいるとして、今年度の一般向け試食会や販売は見送る予定で、来年度からは塩素消毒後の処理水を使用する。

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