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携帯値下げ阻む複雑プラン…菅政権、利用者目線でメス入れられるか

 総務省は27日に公表した携帯電話料金の引き下げに向けたアクションプランで、過度に複雑な料金体系が値下げの阻害要因になっていると指摘した。政府の値下げ圧力に対し、携帯大手は新たな大容量プランを追加する方向でおおむね固まりつつあるが、料金体系はむしろ複雑さを増しそうだ。利用者目線で分かりやすくなるよう料金プランにメスを入れることができるかも今後の焦点になる。

 「最安値だけを強調して表示するのはもうやめた方がいい」。携帯大手関係者はこう警鐘を鳴らす。

 例えば、携帯大手のホームページでデータ容量が大容量、もしくは無制限の料金プランをみると、NTTドコモは月額3980円(税別)、KDDI(au)は同3460円、ソフトバンクは同3480円という数字が大きく表示されている。一見、同2980円の安さを売りに新規参入した楽天と遜色ない水準だ。

 しかし、この数字は家族との同時加入や光回線とのセット契約、新規契約などへの期間限定の割引を含んでの料金だ。それらを除くとドコモは同7150円、KDDIは同7650円、ソフトバンクは同7480円と大きく変わる。だが、本来の料金をホームページ上などで探すのは難しい。

 問題は携帯大手の割引には条件があり、全員には適用できないのに最安値を強調している点だ。プランごとに割引幅も異なる。利用者にとってこうした料金体系は複雑で、楽天や格安スマートフォン事業者との価格差は伝わりにくい。武田良太総務相が今月上旬に携帯利用者と面会した際も「プランが分かりにくい」と指摘する声が相次いだ。

 総務省は今回のアクションプランで「分かりやすい料金の実現」を柱の一つにした。これまでは事業者間の競争促進策に力を入れてきたが、複雑な料金体系が足かせとなり乗り換えが停滞したとみる。今後はセット割引の在り方などを有識者会議で検証する方針だ。

 もっとも、政府の値下げ要請に応える新プラン導入や第5世代(5G)移動通信システムに対応した料金の追加などで、プランは複雑化の一途をたどる。コンテンツを軸とした差別化競争も進み、KDDIは「ネットフリックス」など人気の動画・音楽コンテンツがセットになったプランも複数用意する。「多様化するニーズに応えるプランをそろえる必要がある」(関係者)側面もあるが、一方で顧客本位のサービス実現に向けては、料金体系の低廉化と簡素化をどう両立するかも問われている。(万福博之)

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