メーカー

米半導体メーカーAMD、ザイリンクス買収へ インテルを追い上げ

 米半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は27日、同業の米ザイリンクスを株式交換により350億ドル(約3兆6600億円)相当で買収することで合意した。半導体業界で過去最大級の取引でAMDはより大きな研究開発資金と多様な製品群を手に入れ、競合のインテルを追い上げる。

 年20%増収目指す

 ザイリンクスの株主は1株につきAMD株1.7234株を受け取る。ザイリンクスを1株当たり約143ドルと評価することになり、26日の終値に対し25%、買収協議について今月伝えられた直前の株価に対しては35%上乗せされた水準になる。

 27日のニューヨーク株式市場でAMDは4.1%安で取引終了。一方、ザイリンクスは一時14%高と急騰した。終値は8.6%高の124.35ドル。

 AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は、今回の買収に気を取られることなく、パフォーマンス面で期待に沿う製品を今後も適宜投入していくと約束。合併後の新会社はAMDと同じく、年20%の増収を目指すと述べた。

 AMDが同時に発表した7~9月期(第3四半期)業績はアナリスト予想を上回った。今四半期の売上高についても前年同期比41%増の約30億ドルと強い見通しを示した。第3四半期売上高は56%増だった。

 買収は、株主および中国を含む各国規制当局による承認が必要。AMDは2021年末の買収完了を目指している。同社によると、買収は完了直後から収益性とキャッシュフロー(現金収支)、増収率の改善に寄与する見込み。

 AMD株主が新会社の74%を保有する。スーCEOが新会社のCEOに就き、ザイリンクスのビクター・ペン社長兼CEOが社長としてザイリンクス事業と成長への戦略構想を監督する。

 5Gで新たな顧客

 AMDはザイリンクス買収により、利益率の高いデータセンター向け市場などでインテルの牙城を突き崩す武器を増やすことになる。

 ザイリンクスはプログラミングが可能な集積回路「フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)」を製造する。FPGAは無線通信ネットワークで使用されるため、第5世代移動通信規格(5G)サービスの構築に多額を投じる通信業界でAMDは新たな顧客を得ることになる。インテルは15年のアルテラ買収により、FPGAの主要サプライヤーとなった。

 ザイリンクスはデータセンター向け分野も急速に拡大している。同分野の売上高は7~9月期(第2四半期)に30%増加し、現在は売上高全体の14%を占めている。

 また、ザイリンクスが従来強みを持つ自動車向けやネットワーク関連の市場では、インテルは顧客を持っているが、AMDは現時点で持っていない。(ブルームバーグ Ian King)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus