トップは語る

 グループ挙げ富裕層向け拡大 三菱UFJモルガン・スタンレー証券社長 荒木三郎さん(63)

 --個人向け営業の現状は

 「出社比率は現在9割程度。対面営業が元に戻りつつある。新規顧客の開拓や重要なご相談事は対面の方がいい。お互いのことが分かっている間柄では、通常の商いであれば、リモートでも普段と変わらない取引ができる。状況によって対面と非対面を使い分けていく」

 --富裕層向けビジネスに注力していく

 「営業体制を現在の約600人から2年後をめどに、約1600人に拡充する。長期担当制を敷き、人材育成も強化する。投資銀行業務、資産運用と並ぶ当社の中核ビジネスの柱にしたい」

 --三菱UFJフィナンシャル・グループの中でどんな役割を発揮していくか

 「富裕層向けビジネスの拡大はグループを挙げて取り組む成長戦略だ。その中で当社はリーダーシップを発揮していきたい。傘下の銀行、信託銀行、証券会社でそれぞれ抱える総資産3億円以上の顧客情報を集めたデジタルプラットフォームを作ろうとしている。(情報共有について同意を得た)顧客の基本情報や資産の保有状況を各社の営業担当者が端末で見られるようにする。来年6月の本格稼働を目指している」

 --金融庁で同じグループ内の銀行と証券会社で顧客情報の共有を制限するファイアウオール規制の撤廃に向けた議論が始まった

 「欧米では、銀行と証券会社の営業担当者が一緒に顧客を訪問しさまざまな提案をしている。顧客にとってもプラスだし、われわれにとってもビジネスチャンスが膨らむ。優越的地位の乱用や利益相反につながる可能性があるため罰則強化は必要だ。世の中の趨勢(すうぜい)をみて、日本だけが規制を残すことが本当に日本の経済・社会にとっていいのかという観点から議論していただきたい」

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■荒木三郎(あらき・さぶろう)東大法卒。1981年三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。2018年4月から現職、三菱UFJフィナンシャル・グループ副会長兼任。長崎県出身。

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