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まるで下町ロケット…自動トラクターが耕すスマート農業 (2/2ページ)

 もうかる産業として後継者育成

 「どの機械も素晴らしい。使いこなすには勉強が必要だが、次回の機械更新時には切り替えていきたい」。同農園の野口龍馬社長は実演会の結果を踏まえ、スマート農業への移行に意欲をみせる。一方で、初期投資を含めて2千万円を超える負担に耐えうる個人経営農家は多くはない。「便利さは認めるが、コストが…。普及にはまだまだ時間がかかるのでは」。鳥取市で農業を営む男性(63)はそう話した。

 県とっとり農業戦略課の松田悟研究・普及推進室長は、スマート農業の目的を「農業を産業として成り立たせ、後継者を育てるため」と話す。きつい、きたない、もうからないに加えて技術や経験が求められる農業を、効率的で、だれでもでき、もうかる産業に変える手段のひとつがスマート農業という。

 今、全国では、担い手がいなくなった農地が急増。集落営農団体や農事組合法人、会社組織などを受け皿として農地の集積が進んでいる。県によると、県内の集落営農組織は309(今年2月現在)あり、県全体の農地の30・9%(同3月現在)が、こうした組織に集積しているという。

 大規模化する農地で「スマートに」営農。後継者世代が、農業を魅力ある産業と感じ、食料自給率を維持して日本の農業を守るため、関係者がスマート農業に寄せる期待は大きい。

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