メーカー

家電、ゲーム、金融……まもなくGAFAに呑み込まれてしまう8つの業界 (1/3ページ)

 「アマゾンエフェクト」という言葉があるように、GAFAのようなテック企業が業界ごとのみ込んでしまう例が増えている。ベンチャー企業投資家の山本康正氏は「データの活用が進んでいない企業が多い業界ほど危ない。具体的には小売りやエネルギーなど8つの業界に淘汰のリスクがある」という--。

 ※本稿は、山本康正『2025年を制覇する破壊的企業』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

 GAFA、テスラ、新興ベンチャーが業界をのみ込む

 テクノロジー化が遅れている、データの活用が進んでいない企業が多い業界は、これからの未来では淘汰されていきます。特に、次に挙げた8つの業界が危険です。

 (1)小売り

 すでに淘汰は起き始めています。アメリカの高級百貨店「ニーマン・マーカス」が2020年5月に破綻。同じくアメリカで100年以上の歴史を持ち、850近くもの店舗を展開する大手百貨店チェーン「JCペニー」も同時期に破綻を申請。このような流れは、今後も続くでしょう。

 ウォルマートは生き残ったのに、なぜ、彼らはダメだったのか。おそらく、これだけの規模の小売店ですから、データそのものはあったはずです。ただデータは持っているだけでは意味がなく、分析・活用して初めて価値が出ます。

 そのことに気づいていなかったか。あるいは気づいていたけれど、実行できるデータサイエンティストなどの人材がいなかったことが原因でしょう。

 またこの手の老舗企業は危機感がない場合や、顧客がいま何を求めているかが把握できていない場合も多く見られます。

 たとえば店に立ち、お客様とコミュニケーションすることや、実際に商品に触れてもらうことに価値があるといったことだけを考えるとデジタルの手段を見逃してしまいます。新しいデジタル活用の1つの形としては有楽町などにオープンした、小売店舗をショールーム化しているシリコンバレー発のb8ta(ベータ)が参考になると思います。

 業界の壁や常識を何とも思わない経営者が参入

 (2)エネルギー

 エネルギー業界は国とのつながりも大きいですから、炭素を排出する火力発電が時代遅れだと多くの人が分かっていても、「でも、なくなりはしないだろう」と考えるわけです。このようなマインドは未来では成り立ちません。

 イーロン・マスク氏のような業界の壁や常識を何とも思わない経営者が次々と参入し、業界を壊していく可能性が十分にあるからです。

 テスラはすでにその動きを見せています。先に紹介したとおり、太陽光発電事業はまさにエネルギー業界への参入であり、環境への意識が高いカリフォルニア州などでは、テスラ自動車も含め、テスラの環境関連事業の推進に賛同。2035年からのガソリン車の新車発売禁止や税控除などで拡大を支援しています。

 (3)金融

 店舗を構える必要がなく、かつ利用者は手数料がかからないベンチャーの台頭などにより、従来型サービスを手がけている金融会社は、淘汰されていくでしょう。

 銀行も同じです。ペイペイなどの決済サービスは次から次に登場していますし、フェイスブックを使えば、アメリカでは同じように送金が行えます。わざわざ手数料のかかる、既存の金融機関のシステムを使う人は、今後ますます減っていくことは間違いありません。

 ただ先述したように、賢い金融機関はすでにこのような未来をイメージしていますから、台頭してくる企業の裏方に徹していくと思われます。つまりサービス業という業態から、インフラ的な業種への転換です。逆に、このような転換ができない企業は淘汰されることになります。

 ゲームの成否を決めるのはハードの性能よりも体験

 (4)ゲーム

 スマートフォン用のゲームアプリを開発している企業は、この先も問題ないでしょう。

 淘汰されるのは、もともと家庭用のゲーム機ならびに、ソフトウェアを作っていたゲーム会社です。クラウドストリーミングゲームへの対応の遅れが、その理由です。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus