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総合商社の業績にコロナ底打ち感 7~9月期の業績改善明確

 新型コロナウイルス感染拡大で悪化していた総合商社の業績に底打ち感が出てきた。大手5社の2020年9月中間連結決算(国際会計基準)では、4~6月期に対し、7~9月期の業績改善が明確になっている。伊藤忠商事が7~9月期としては、過去最高の最終利益を記録し、丸紅も通期の業績予想を上方修正した。

 9月中間決算では、三菱商事、三井物産など4社が減益となったほか、住友商事が最終赤字に転落するなど、5社全てが業績を悪化させた。新型コロナウイルス流行により資源関連事業や、自動車、航空機関連事業が苦戦したためだ。特に住友商事では、アフリカ・マダガスカルのニッケル鉱山が、コロナ感染拡大で、操業が停止したままであることに加え、新たにオーストラリアで参画している石炭火力発電の事業で、事業や資産の評価を見直す巨額の減損処理を余儀なくされ、厳しい状況となっている。

 一方で、各社ともに7~9月期は4~6月期に比べ、改善傾向が出ている。モザンビークの石炭事業で、200億円近い減損処理を実施した三井物産以外は、減益率が縮小。住友商事も赤字額が減少している。

 その大きな要因は、資源の市況が当初の想定よりも高水準に戻りつつあることに加え、食料などの生活密着型の事業が着実に回復しているからだ。伊藤忠では、畜産事業が堅調で「想定以上に利益を積んだ」(鉢村剛専務執行役員)。7~9月期はこの期として過去最高益を記録した。

 期初に通期の最終利益を1000億円と予想していた丸紅は、9月中間で1016億円と達成。これに伴い、通期目標を1500億円に上方修正した。食料事業や農薬事業などが「巡航速度の経営に回復している」(古谷孝之常務執行役員)ことが大きな要因だ。

 また、ある大手商社の幹部は、「5月まではコロナの影響が見極められなかったが、6月後半からは“コロナ慣れ”の面も出てきて、経済活動ができるようになった」と分析する。

 ただ、欧州での新型コロナの感染再拡大や、米中貿易摩擦などの懸念材料も山積しており、先行きに対する警戒感は各社とも強いままだ。(平尾孝)

 ■総合商社大手5社の連結最終損益

 (9月中間期/4~6月期/7~9月期)

 ・伊藤忠商事

   2525/ 1047/1477

  ▲12.6/▲28.9/ 4.2

 ・三井物産

   1100/  625/  474

  ▲53.0/▲50.0/▲56.5

 ・丸紅

   1016/  581/  435

  ▲ 9.0/▲10.8/▲ 6.6

 ・三菱商事

    866/  366/  500

  ▲64.2/▲77.3/▲38.3

 ・住友商事

  ▲ 602/▲ 410/▲ 191

   1524/  797/726

 ※単位は億円。下段は前年同期比増減率、%。▲はマイナスまたは 赤字。住友商事の下段は前年同期の最終利益額(億円)

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