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ボーイング機の運航停止を解除 737MAXで米当局

 【ワシントン=塩原永久】米連邦航空局(FAA)は18日、2度の墜落事故を起こした米航空機大手ボーイングの主力旅客機「737MAX」の運航停止命令を1年8カ月ぶりに解除したと発表した。事故原因となった飛行制御のソフトウエアの問題が修正され、機体の安全性が確保されたと結論付けた。

 運航停止命令の解除により737MAXの商業飛行が可能になったが、今後は航空会社側の操縦訓練などが求められるため、実際の運航再開は数カ月後以降になるとみられる。

 737MAXは2018年秋から19年春にかけて、インドネシア沖とエチオピアで2度の墜落事故を起こし、計346人の犠牲者を出した。FAAは、墜落した2機の運航データから、同じ事故原因が引き起こした可能性があると判断し、19年3月中旬、飛行停止命令を出していた。

 FAAのほか各国・地域の航空当局も737MAXの運航停止を命じていた。

 ボーイングは、飛行姿勢を制御するソフトウエアに問題があったとして、修正を施すなどの安全面の改善を進めていた。

 ボーイングは米航空機メーカーの代表的な企業で、事故により信頼が失墜して経営危機に陥っていた。さらに新型コロナウイルスの打撃を受け、人員削減を余儀なくされており、737MAXの飛行再開が経営改善につながるかどうかは見通せない。

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