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欧米自動車大手がEV覇権へ号砲 コロナ回復鮮明、独走テスラに対抗

 新型コロナウイルスの流行で販売が急減した欧米自動車大手は業績回復が鮮明となり、成長を左右する環境対応へ再びアクセルを踏み始めた。本命とされる電気自動車(EV)市場で独走する米テスラを止められるメーカーはどこか。競争の号砲が鳴った。

 「肩を並べられると思っている」。テスラの有力対抗馬とされるドイツ・フォルクスワーゲン(VW)のディース最高経営責任者(CEO)はこう言い切った。2015年にディーゼル車の排ガス不正問題が発覚した後、EV重視へ転換。EVシリーズの「ID.」でゴルフやビートルに続く世界的ヒットを狙う。

 米ゼネラル・モーターズ(GM)は、かつての人気ブランド「ハマー」を冠したEVのピックアップトラックを来年中に発売する。新型コロナへの感染リスクから生活の足として自家用車の重要性が高まり、主力の北米市場でスポーツ用多目的車(SUV)など収益性の高い大型ガソリン車の販売が持ち直した。バーラCEOは「これでEVへの投資を賄える」と力を込める。

 EV普及には追い風が吹く。各国は景気浮揚のため補助金などをつぎ込み、米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領も積極的だ。投資家も熱い視線を送る。

 英政府は30年までに、米カリフォルニア州や中国政府は35年までにガソリン車の新規販売を禁止する予定で、30年代前半にはEVが主流になる可能性が高まっている。

 テスラは再三「倒産寸前」(マスクCEO)に追い込まれた。しかし、昨今のブームで販売が軌道に乗り、株価が急騰。成長性や業績を映す時価総額はトヨタ自動車を抜き、業界首位に躍り出た。

 価格の高さが普及のネックとなっていたが、マスク氏は「創業以来の夢」という2万5000ドル(約260万円)の新型車を3年後に出すとぶち上げた。主力車「モデル3」より格段に安い。実現に向けた鍵となる電池の自社開発も進める。

 フランスのルノーも負けじと「欧州最安」(関係者)EVを来年投入する。補助金を考慮した購入者の実質負担は約1万ユーロ(約120万円)に抑制できるとみられる。

 EVは巨額投資の継続が必要で、米国に地盤を置くフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とフランスのグループPSAの大型再編につながった。GMとホンダも技術提携を強化した。体力勝負の様相が強まれば、合従連衡の加速は必至だ。(共同)

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