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AI×画像認識広がる用途ブランド品鑑定、商品撮影しデータ照合

 人工知能(AI)の用途が広がっている。画像認識技術と組み合わせることで、ネットオークションなどの取引で偽物を見破る技術が実用化されているほか、冬場の路面状況を瞬時に判別する技術も開発された。これまで人による目視に頼らざるを得なかった分野にAIの活用が広がり、業務の効率化や省力化につながると期待されている。

 中古品販売やインターネットオークションで取引される品物の中から、人工知能(AI)を活用して偽物を見破る技術が実用化されている。高精度カメラで撮影した画像を大量のデータと照合し本物かどうか鑑定する。輸入された偽ブランド品などが国内に多く流通しており「AI鑑定士」が目を光らせている。

 「基準外」-。高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の製品として持ち込まれたバッグにAIは偽物と判定を下した。鑑定にかかった時間は数秒。中古品販売大手「コメ兵」は8月、ルイ・ヴィトン製品を買い取る際、AIを使った鑑定を一部導入した。

 鑑定士が最初にスマートフォンで製品を撮影すると、データベースから自動で型番を特定。品名や素材、柄も表示される。次に高精度カメラを使って数十倍まで拡大して撮影、AIに鑑定を指示すると「基準外」「保留」「基準内」の3種類に分類される仕組みだ。

 コメ兵では、取引した約47万件のルイ・ヴィトン製品の中から必要な画像をデータベース化しており、AIが照合、判定することで99%の確率で本物か偽物か見分けられるという。

 コメ兵には約360人の鑑定士がおり、手触りや見た目など長年の経験から判定していた。しかしノウハウの継承や省力化を図るため、AIの導入を決めた。約15年のキャリアがあり、社内で「匠」とも呼ばれる複数の鑑定士がAIにノウハウを教え込んだ。

 林幸史鑑定士は「つるつるしているという感覚は、カメラで繊維一本まで見れば科学的に判別できる。客観的な基準で鑑定すれば、偽物はほとんど見破ることが可能だ」と話す。

 一方、ネットオークションを手掛けるヤフーは「偽物出品検知AI」を開発した。1000万件以上の取引データを使って画像から偽物の可能性を算出する。導入後は違反商品が約10分の1に減った。

 メルカリも偽ブランド品や医薬品、武器などの禁止されている出品物をAIが検知している。ただ他人が代行した夏休みの宿題など、偽物や違法とまで言えずAIによる判断が難しい出品は、人間が可否を判断しているという。

 財務省によると、2019年に日本に輸入しようとして税関で差し止められた偽ブランド品など知的財産侵害物品は101万8880点と増加傾向にある。

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