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東京都の時短要請に四苦八苦 時短とアルコール停止で割れるチェーン各社

 新型コロナウイルス感染急拡大を押さえ込むため、東京都が酒類を提供する飲食店などに対し、28日から営業時間を午前5時~午後10時までとする時短営業要請を出したことを受け、外食チェーン各社が対応に追われている。8~9月に出された前回の都の時短要請後、各社の客足の戻りはまだら模様なだけに、26日も対応を決めきれないチェーンも出ている。

 居酒屋「甘太郎」や焼き肉「牛角」など複数ブランドを展開するコロワイドは、グループ直営店で要請通りの営業時間短縮を決めた。フランチャイズチェーン(FC)店舗にも時短営業の協力を求めた。

 ファミリーレストラン「ガスト」や、しゃぶしゃぶ専門店「しゃぶ葉」などを展開するすかいらーくホールディングス(HD)も都内約600店で店内飲食は時短営業に切りかえ、持ち帰りと自社配送の宅配は従来の店舗営業時間で続ける。「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」を運営するロイヤルHDも都内97店で酒類提供を続け、時短に取り組む。「普段の(酒類を含めた)メニューを店舗で提供し、楽しい外食をしてもらいたい」という。

 一方、酒類提供を一時休止して、営業時間は通常通りとする業態もある。牛丼チェーンの「吉野家」は原則として酒類販売の停止と営業時間の維持を決めた。吉野家HDは8月も食の安定供給のため営業時間は変えておらず、前回と同じ対応を取った。

 ゼンショーHDは展開するブランドごとに対応を変えた。牛丼「すき家」とうどんの「なか卯」、ファミリーレストラン「ココス」は酒類提供を休止して通常営業を維持。すしチェーン「はま寿司」は酒類販売を続けて時短要請に応じる。

 チェーンによって対応を変えた背景にある判断理由は「従業員の雇用を維持するため」(広報担当者)だ。すき家、なか卯は24時間営業を行っており、都の時短要請に応じれば1日当たり営業ベースで7時間分の雇用が失われることになる。はま寿司は営業終了を午後10時とする店が多く、時短に応じても雇用への影響は小さいという。

 一方、「客への告知を考えると26日中に決めないといけないとは思うが、今回は難しい」(外食チェーン広報)と対応が決まらない企業もある。

 外食産業の業界団体、日本フードサービス協会のまとめによれば、緊急事態宣言時の売り上げの落ち込みは休業した居酒屋・パブ業態が最も大きく、レストラン業態が続いた。10月の売上高ではファミレスが前年同月比8・7%減まで戻ったが、居酒屋は33・8%減と苦戦中だ。

 今回の時短要請に際しても消費者心理を冷やしたくないのが本音だが、時短を選ぶか、アルコール休止を選ぶかは悩みどころだ。

 業界関係者は「例年なら大型宴会を奪い合うように居酒屋チェーンが予約キャンペーンを打っていた時期だが、それもなかった。居酒屋業態は本当に先が見通せず厳しい状況だ」と話す。外食産業と歩を共にする酒類メーカーの関係者も「外食で酒が売れるのは12月の忘年会需要と、8月のお盆だ。1年間の中の2つの稼ぎ時に大都市圏で時短営業となってしまった」と肩を落とした。

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