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「ブラックフライデー」試される配送 年末商戦開幕、ネット注文急増で最高額へ

 今年も「感謝祭」翌日の「ブラックフライデー」(27日)を皮切りに、年末商戦の火蓋が切られる。コロナ禍で苦戦を強いられる米国内の大手アパレルチェーンや百貨店は極めて重要な時期を控え、気が気でない。

 対面での買い物は振るわないとみられる半面、今年の年末商戦全体の消費支出はオンラインの注文急増で過去最高を記録するとみられる。米市場調査会社NPDグループは11、12月にかけて、総合小売売上高が前年同期比で2.5~3.4%増えると予想している。

 ツールぶっつけ本番

 インターネット通販大手のアマゾン・コムやターゲット、ウォルマートなど生活必需品を扱う小売業者は今年、巣ごもり消費を追い風にしたパントリー・ローディング(商品を多く仕入れること)の恩恵を受け、株価が上昇した。対照的に、百貨店や多くのアパレルチェーンは売り上げ減少で株価も低迷した。

 これら生活必需品以外を扱う小売業者の多くは今年初めにロックダウン(都市封鎖)が実施された際に閉店を余儀なくされ、年末商戦を念頭に据えた電子商取引(EC)業務の改善に時間を費やした。

 ただ、顧客が事前にオンラインやアプリから注文した商品を店内やカーブサイド(店舗の駐車場や指定された場所)で受け取るサービスや店舗からの直送など、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)さなかの急ごしらえや規模を拡大した新しいツールは全て、試験運用なしのぶっつけ本番だ。うまくいかなければ、悲惨な年がはるかに悪化する恐れがある。

 格付け大手フィッチ・レーティングスの小売り担当アナリスト、デービッド・シルバーマン氏は、小売業者らが採用した新プログラムについて、在庫を正確に報告したり、遅延、障害を限定したりするなど販売に影響を及ぼす点で、精度に問題がある可能性を指摘する。

 不出来なら顧客離れ

 パンデミック中に消費者の習慣は激変しており、多くの業界専門家は、ECやソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保した買い物の仕方が恒久化する可能性があるとみる。買い物客が満足しなければ、小売業者はその顧客をその場で即、失う恐れがある。

 小売業界で最も業績の悪い分野の一つである百貨店は特に、顧客の機嫌を損ねたくないと思っている。百貨店大手のメイシーズ、コールズは時価総額が70億ドル(約7300億円)以上吹き飛び、今年初めの強制的なロックダウンで数百万ドルの売り上げが消えた。

 各社が懸念する根拠はデータが示している。アクセンチュアの9月の調査で、米国の買い物客の半数以上は配送に満足できなければ二度とその店舗で購入しないと回答。アドビ・アナリティクスによれば、今年11、12月のオンライン通販は急増し、前年同期比33%増の1890億ドルと過去最高を記録する見通しだ。全米の物流業務を一括するフルフィルメント網の限界が試されることになる。

 ECの取引量が高水準になれば、フェデックスやユナイテッド・パーシャル・サービス(UPS)など従来の運送業者に負担がかかる。両社はECが増加する中で年末の需要急増に備えた準備を進めているが、小売業者は注文が増えるのに伴い、店舗からの配送能力が制限される恐れがあると不安を募らせる。(ブルームバーグ Jordyn Holman、Jeff Keans)

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