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外貨預金を外国株・債券の入り口に 大和ネクスト銀行社長 夏目 景輔さん(59)

 --新型コロナウイルス感染拡大のインターネット銀行ビジネスへの影響は

 「当社ホームページの訪問件数はコロナ禍前と比べ約1.5倍に増えた。大和証券営業員を経由しないインターネット経由での口座開設の比率はコロナ禍前の約5%から、現在は10%超に拡大した。ネット取引の増加傾向は今後も続くことが予想されるため、スマートフォンアプリの機能拡充やセキュリティー対策の強化に力を入れたい」

 --大和証券グループの成長に対して、どのように貢献していくか

 「外貨建て資産を保有したことがない顧客にいきなり外国の株式や投資信託、債券を勧めてもハードルが高い。これらの導入商品として、外貨預金の利用を増やしたい。大和証券とのシナジー効果も期待できる。外貨預金の残高は現在6000億円弱だが、中長期的に1兆円を目指したい。金利環境を見ながら、キャンペーン金利を提供し利用者拡大を図るほか、法人顧客の開拓も進めたい」

 --預金金利の一部を児童福祉や環境保護に取り組む団体に寄付できる「応援定期預金」の進(しん)捗(ちょく)状況は

 「2017年2月に開始し、預金残高は現在1200億円程度まで増えた。新型コロナウイルス禍で注目度は高まっている。国連の『持続可能な開発目標(SDGs)』の推進に取り組む法人の利用が増えている。応援定期預金についても外貨預金を伸ばしたい。寄付金額は今年4~9月の半年間で1000万円近くになった。低金利環境が続く中、円建てよりも魅力のあるドル建て預金の取り扱いを増やすことで、寄付金額をさらに増やしたい。応援先は現在15団体あるが、12月には新たに、子供のオンライン学習を支援する団体が応援先に加わる」

 なつめ・けいすけ 1986年大和証券入社、専務取締役エクイティ担当兼リサーチ担当などを経て、2020年4月から現職。東京都出身。

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