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カシオ強気の楽器20%増産 巣ごもり需要で黒字転換

 カシオ計算機が、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の拡大を受け、電子ピアノなど楽器の増産体制に入ったことが1日、分かった。今年8月から来年1月までに前年同期比20%の増産(金額ベース)を計画している。コンパクトで高品質な商品モデル戦略「スリム&スマート」が奏功し、インターネット販売も伸びている。

 コロナによる外出自粛の影響もあり、今春から自宅で電子ピアノや電子キーボードを楽しむ人が増えている。カシオの2020年4~10月期の楽器事業の売上高は前年同期比20%増で営業黒字を確保した。

 売れ筋は奥行きが業界最短でスリムな電子ピアノ「プルヴィア」シリーズの「PX-S1000」で、台数ベースで前年同期比2倍の増産対応を取っている。「コロナで余暇時間が増えて、ピアノ経験者の購入が目立つ」(担当者)。

 手軽に持ち運びができる電子キーボード「カシオトーン」シリーズの販売も好調で増産に乗り出している。巣ごもりでインターネット販売が伸びており、4~10月期は前年同期より11%増加した。

 これまでカシオの楽器事業は赤字続きで長期低迷していた。工場の自動化や電子キーボードのラインアップの半減などの構造改革を断行し、スリム&スマート戦略で立て直しを図っていた。そこに巣ごもり需要が重なり、黒字に転じた。

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