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書き入れ時に「第3波」打撃 完全失業率は2カ月ぶりに悪化 (1/2ページ)

 10月の完全失業率は2カ月ぶりに悪化した。新型コロナウイルス感染の流行「第3波」ともいえる状況が拡大。年末の書き入れ時を前に自粛ムードが再び強まれば、観光産業などで打撃となり一層の雇用情勢の悪化が避けられない。専門家は「飲食業や宿泊業を中心に資金繰りに窮して廃業する動きが年明けに顕在化し、雇用縮小が進む可能性がある」と指摘する。

 観光客向け閉店続く

 「何とか給料を払っている。今がぎりぎりだ」。東京・浅草で観光客ら向けに着物レンタル店を営む大友雄介さん(49)は顔を曇らせる。訪日外国人は潮が引くようにいなくなり、数組しか客がいない日もある。

 スタッフ20人のシフトを減らしたのに加え、中国語の対応を担っていた留学生アルバイトも休業させたままだ。雇用を維持するために国の雇用調整助成金を受給するが、周囲の着物レンタル店は次々と店を閉じる。

 政府の観光支援策で一時的に客足は盛り返したが、初詣などで稼ぎ時の年末年始を前に「第3波」が迫り、「雰囲気が冷え込めば客足は再び減るだろう」と先行きへの不安を隠さない。

 10月の完全失業率は悪化に転じたとはいえ、上昇は小幅にとどまった。有効求人倍率はわずかに改善。夏の流行「第2波」が落ち着き、政府の観光支援策などで人の動きが戻り一定の歯止めがかかったとみられる。

 弱者救済策の拡充を

 日本総合研究所の山田久副理事長は年明けに飲食業や宿泊業などで雇用不安が増す可能性を指摘する。「年間でも大きな割合を占める12月や1月の売り上げがなくなれば収支は成り立たず事業継続に影響が出始める」

 東京都内のハローワークには失業した人が詰めかける。イベント会社で会場設営を担っていた東京都江東区の男性(50)は9月に職を失ったばかりだ。歩合給を含めて月60万円を稼いでいた生活は一変。鬱病も経験した。来年の東京五輪の開催で仕事が回復すれば復帰したいが、「五輪ができなければイベント業は壊滅だ」とわずかな希望もしぼむ。

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