現場の風

デジタルは「全体最適とスピード感」 NEC執行役員 吉崎 敏文さん(58)

 --昨年に日本IBMの人工知能(AI)システム「ワトソン」の事業責任者からNECに転身し、デジタル事業のリーダーとして、従来と異なる方法でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している

 「これまでは各部門の営業やエンジニアが縦割りで顧客の要望通りに製品やサービスを開発してきた。同じことを行い、全体最適ができていなかった。現在は『デジタルプラットフォーム』(統合基盤)にAIやセキュリティー、生体認証などの技術分野ごとに集約して、事例を体系化するように改めた。デジタルビジネスは全体最適でスピード感を持って対応することが大事だ」

 --具体的に、どのような形で展開しているのか

 「まずはコンサルタントやデザイナーが使えるシーンやストーリーを考えて、製品やサービスを開発するようにしている。デジタルビジネスは開発して終わりではなく、継続して変えていくことが重要だ。現在は、全社の知見を集約し、DXで顧客の課題解決策を提案する『オファリング』のメニュー整備や、異なる専門家が解決策を議論する『コンサルテーション』体制、デジタルプラットフォームの海外展開を強化している」

 --新型コロナウイルスの感染拡大でDXを推進する動きが加速している。競合他社もDXに力を入れているが、NECの強みは

 「パンデミック(世界的大流行)で、デジタル化は確実に進む。昨年からデジタルシフトを進めており、方針は基本的に変わらない。DXがブームだが、私は『トランスフォーメーション』(変化)が重要だと思う。私の中でDXの定義はITが隅々まで広がることだ。他社は意識しておらず、自分の会社のことで精いっぱいだ。NECの強みは、長く通信事業を展開しており、ITとネットワークの両方を持っている点だ」

                   ◇

 よしざき・としふみ 学習院大経卒、1985年、日本IBM入社。30年以上勤務し、経営企画・人事、企画担当部長、理事、執行役員などを経て、2019年2月、NECに入社し、同年4月に執行役員。福井県出身。

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