現場の風

コロナ禍で変わる保険ニーズ メットライフ生命保険執行役員常務 稲垣裕美さん(53)

 --『老後を変える』全国大調査は今回が3回目。今年の特徴は

 「調査は47都道府県で、20~79歳までの男女1万4100人を対象に老後やコロナ禍に関する意識や備えなどを幅広く聞いた。8割以上が老後に何らかの不安を感じると回答した。コロナ禍で老後に対する考え方や価値観に変化があったと回答した4137人にその内容を聞いたところ『貯蓄意識が高まった』との答えが52.8%と、『健康への気遣い』(51.6%)を上回った」

 --貯蓄から投資への流れは後退したのか

 「コロナ以後の資産運用の意向変化では、20~30代の30%以上が『高まった』と回答し、預貯金志向に逆戻りしたというより、幅広く金融商品を吟味しながら積極的な資産形成に傾いている、というのが実態だろう」

 --そうした需要にどう応える

 「商品の点では、当社としてはほぼ20年ぶりに円建ての変額終身保険『ライフインベスト』を発売した。顧客は株式運用、債券運用などの比率が異なる特別勘定で運用し、積立金に反映させることで、資産形成が期待できる。以前は外貨建て商品が主流だったが、金利の低下、リスクなどを分析した結果、円建てが顧客ニーズに合致していると考え選択した。条件を満たせば月額3000円から入れるため、若い世代にもアピールしたい」

 --ウィズコロナで、顧客との関係性も変わるか

 「不安が拡大しているのだから、顧客にもっと寄り添う保険会社になるべきだ。調査や産官学の有識者と協働し、老後を変えるために必要な情報を発信していく。商品付帯サービスをさらに充実させ、健康や介護、法律や税務などの専門家と顧客をつなぐ環境を整備する。多くの社員を社会貢献や地域活動に参加させ、保険に関わる問題を肌感覚で体験し、サービス向上に役立てたい」

                   ◇

 いながき・ひろみ 岡山大法学部卒。ユニリーバ・ジャパン入社、2009年リージョナルカテゴリー・ヴァイスプレジデント・イーストアジア担当、三井化学などを経て20年5月から現職。岡山県出身。

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