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アマゾンに対抗できる小売業はウォルマートだけと言える理由 (1/2ページ)

 世界一のスーパーであるウォルマートは、コロナ禍でも着実に売り上げを伸ばしている。ベンチャーキャピタリストの山本康正氏は「ウォルマートは歴史ある世界的な大企業でありながら、経営感覚は今どきで動きも速い。それはアマゾンと同じく、小売業に固執していないからだ」という--。

 ※本稿は、山本康正『2025年を制覇する破壊的企業』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

 GAFAの経営手法を真似た「老舗スーパーマーケット」

 新型コロナウイルスの影響で、小売業界は、営業時間の短縮、ソーシャルディスタンスを意識した利用者の人数制限などにより、ほとんどの店舗や企業で売上減、厳しい経営を強いられています。

 そんな中、小売業界にありながら売上が問題なく、株価まで上げている企業があります。

 ウォルマートです。ウォルマートのすごいところは、歴史も規模もある世界的な大企業でありながら、経営感覚はTikTokへの出資に大きな意欲を持つほど最先端で動きも速いことです。

 ネットスーパー事業に着手したのは、アマゾンが急成長していた2006年ごろでした。シリコンバレーにオフィスを構え、データ分析やeコマース事業に強い人材やベンチャーを次々と買収、手を組んでいきました。

 GAFAが自分たちの苦手分野をM&Aによって取り込んでいく経営手法を、老舗でありながら実行していったのです。その結果、大手老舗でありながら、その実はGAFAのような最先端企業のテクノロジーならびにサービスを備えていきました。

 一方で他の小売事業者は、eコマースに進出するとリアル店舗と競合してしまう。店舗にお客さんが来なくなってしまうのでは、そのように考え、進出に二の足を踏んでいたのでしょう。

 アマゾンがベンチマーク

 しかしウォルマートは違いました。リアル店舗も活かした、新たなサービスを提供すればよいのだと。まさに固定観念を取り払う、業界を越える、成功していく企業の典型です。

 ウォルマートの経営スタイルはアマゾンと似ています。実際、アマゾンをベンチマークとしています。物を仕入れ販売するのが、小売業のビジネス。このような考えに固執せず、どのようにしたら客が満足するかを真剣に考え、実際の施策として愚直に行っています。

 サブスクリプションサービスを展開しているのはまさにその証しです。年会費98ドルを払えば、ふだんの割引はもちろん、さまざまなサービスや買い物を通じた楽しい体験を得ることができます。

 ロッカーサービスはいい例です。アメリカでウォルマートの店舗に行くと、入り口にロッカーが設けてあります。このロッカーの中には、ネットで注文された商品が入っていて、客は店に入ることなく、望む品を家に持ち帰ることができます。

 アマゾンの配送は倉庫からですが、ウォルマートは各地に実店舗があります。この実店舗から客の元に配送したら、アマゾンに勝てるだろう。という考えです。

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