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JR九州が24日から営業列車で自動運転 福岡市の香椎線 

 JR九州は22日、福岡市東区の香椎線で、自動列車運転装置(ATO)を導入した列車の営業運転を24日から始めると発表した。列車の自動運転はJR各社が技術開発や走行試験を進めているが、客を乗せた営業列車への導入は全国のJR線で初めて。当面は運転士が乗車する「半自動運転」だが、将来的には運転士資格を持たない係員だけが乗る「ドライバーレス運転」を目指し、コスト削減にもつなげたい考えだ。(小沢慶太)

 自動運転を導入するのは西戸崎-香椎間(12・9キロ)で、午前9時台から午後8時台に上下線合わせて1日24本を運行する。

 運転席には資格を持った運転士1人が乗車する。運転士は発車ボタンのほか、線路上に障害物などを発見した際に緊急停止ボタンを押すだけ。実際の運転や制御は機械が担う。

 同区間には駅が6カ所、踏み切りが16カ所あり、加速や減速、駅での停止などの機能や、トラブルが発生した場合の緊急停止などを検証する。自動運転による運転士への心理的影響も把握する。

 鉄道の自動運転は、踏切がなく、全線高架のモノレールなどですでに導入されている。ただ、導入済みの路線にはATOに加え、トラブルが発生した場合に列車を減速させる保安機能として、自動列車制御装置(ATC)を備えている。

 保安機能について、JR九州は、既設の自動列車停止装置(ATS)を活用する。制限速度を超過した場合などにブレーキをかける装置で、JR各社が採用している。ATCを新たに設置すれば多額の投資が必要となることから、JR九州はATSの増設や、保安機能も備えた高性能のATOを導入することで安全性を確保する。

 JR九州は令和元年末から同区間で、最終列車の運転終了後に夜間走行試験を重ねてきた。第三者委員会による検証で安全性への評価を受け、11月には国土交通省から営業運転の認可を取得した。

 令和3年度末までに香椎線全線への拡大を目指す。青柳俊彦社長は、記者会見で「信頼性の高いシステムだという評価を得られれば、(他路線への)さらなる拡大も考えている」と述べた。

 同社が自動運転の導入を積極的に進める背景には、人口減少による運転手不足への懸念がある。加えて新型コロナウイルスによって経営が大きな打撃を受ける中、将来的に係員だけによるドライバーレス運転が実現できれば、運転士養成にかかるコストも抑制できる。

 青柳氏は「今回の実証実験でしっかり結果を積み上げていくことが、将来的な乗務員の確保、安全性の向上につながると期待している」と話した。

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